そういうわけなんですよ、福岡で餃子といえば「旭軒」なんですよ。
まぁ「テムジン」とか「鉄なべ」のほうが知名度は高いのかなって思うけどもね、俺にとっては「旭軒」なんだな。
で、「旭軒」も店舗がいくつかあって、その全部に行ったわけでもないんだが、俺は春吉店が一番好きだなぁ。
まず、その佇まいがね。
春吉は、もう出店する隙間もないんじゃないかってほどに飲食店ができまくって、かつて(10数年前)“あの辺は暗いし治安悪いしラブホしかない”ってイメージだったのが一変しているわけだが。
それでも今なお暗い路地にひっそりと「旭軒 春吉店」はある。
それだけでもう、俺には魅力的なんだな。
でまぁ、小振りで二人前サクっと食えちゃう餃子の味も良いんだが、古びた店構えで古びた女性……バーチャンとオバチャンが二人三脚でやってて、昔から古びた女性だったが今も変わらず古びているのが、なんか良い。
逆に、変わらないって老けてないってことか。
店に入ると、まず焼餃子を注文して、次にビール。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
そして餃子が焼けるまで、カウンター上に用意されている手羽先をつまむのが通例となっているようでございます。
ただ俺はあんまり手羽先って好きじゃないので(食うのがメンドくさいから)スルー。
狭い店内は、狭い厨房を囲むようにカウンター6席くらい?
オバチャンは餃子が良い具合に焼けるのを待つ間、テレビに釘付けである。
それはもう、これこそが“釘付け”というものだなぁと感心するほどに、テレビを食い入るように見てテレビに相づちをうったりしている。
それでも、餃子の焼け具合はしっかり監督しているので、これも感心。
上の画像は焼餃子二人前。
なんなら三人前くらい軽く食えそうだよね。
一人前400円、キャベツが添えられるのが地味に嬉しい。
この店には餃子(焼 or 揚)と手羽先しかない。
なので、ゆっくり腰を落ち着けて酒を飲むのには向かない店だ。
なにより狭いし客は多いので長居はできない。
たまにフラっと立ち寄って餃子をサクっと食って店を出る、束の間を楽しむ店って感じだね。
注文がさばけるとバーチャンとオバチャンがテレビを見ながら餃子を仕込む様子を眺めるのも楽しいよ。
久しぶりに寄ったら表の置き看板に食べログのステッカーが貼ってあって、なんだか時流に乗ってるようで少し笑ったが、他は相変わらず昔から変わってないなぁって嬉しくなった。
↓「食べログ」での店舗情報