「若松」という店。
入り口自動ドアのガラスと、看板に記された屋号の書体が良い。
ガラスと看板で書体が違うがそれぞれ良くて、ガラスのほうが味わい深い。
屋号そのものも“何屋なんだ?”と思われて良い。
メニューサンプルの背面のガラスを通して店内の様子が窺えて、テーブルの上に灰皿があるのが見えたから、ここに入ろうと決めた。
入ってすぐ、大女将といった風格の女性に声をかけられ、先に注文と会計を済ますシステムと説明を受けた。
食券を受け取る際にタバコを喫うか訊かれ、喫いますと応えると灰皿の置いてある席へご自由にと。
なるほど、一応は分煙なんだな、仕切りなどはないが。
店内は、なんとなく古臭い昭和テイストを感じる。
客層は、やや高齢という印象。
ノートパソコンを開いたサラリーマンの姿もあったが、場違いに映った。
最初に店の前で足を止めたとき、店内奥に銭湯の壁絵のようなものが見えて、それも気になっていた。
実際に店内で見ると、ヨーロッパの山並みと湖みたいな風景なんだね。
富士山のペンキ絵みたいなほうが、この店の空気にマッチするのにね。
コーヒーが運ばれてきた。
若いウェイトレスが持ってきてくれて、とても真面目で性格も良いんだろうなという印象の女の子で、カフェの店員さんとかではなく“レストランのウェイトレス”然としていた。
コーヒーは、昭和の喫茶店の薄くてシャバシャバしたものを覚悟していたが、しっかり美味しかった。
そして、コーヒーに付いてきたペーパーおしぼりの包装の印刷がカワイイ。
なんとも良い感じだ。
いろいろな要素から、なんというか老舗の喫茶店というんじゃなく、古き良き百貨店の大食堂の空気を感じた。
日常のなかの小さな“ハレ”って感じ。
良いね。
↓「食べログ」での店舗情報
若松 (喫茶店 / 難波駅(南海)、大阪難波駅、近鉄日本橋駅)