顧客訪問を終えて、土曜の昼間に久々の“せんびる”こと「船場センタービル」。
昼から飲める店がいっぱい入ってて楽しいビルだ(本来は繊維問屋街といった性格のビルなのだが)。
再訪したい店はいくつかあったが、営業してなかったりサービス内容が変わっていたり。
これもコロナのせいか。
しかしまぁ、まだ利用したことがない店も多いので、そういうところにフラリと入ってみる機会。
3号館「天友」、屋号の読みは“てんゆう”かと思ったが“てんとも”らしい。
暖簾には“酒処”、路上看板には“酒房”と添えてあるんだが、どっちかわからんので単に「天友」としておく。
店先に掲示された品書を眺めると、めっちゃ安くはなく、すごく高くもなく。
とりあえず十分なほどメニューは豊富だし、おしなべて庶民価格という感じ。
テーブル席、奥に小上がりもあるようだったが、独り酒なのですすんでカウンターへ。
瓶ビールは残念なことに残念な銘柄のものしかなかったので、小瓶で。
目の前、カウンターの中は厨房、というか板場といった空気。
白い制服……コックコートならぬ和食の職人さんが着てるやつ……がバッチリきまった“板さん”と呼びたい若大将を中心にキビキビとそして丁寧に仕事をしている様子を眺めて楽しい。
かなりオーダーが入っていて、俺が注文した酒のアテはすぐには出てこなかったんだけど、それは丁寧な仕事ぶりを目にしているから全然気にならないんだよね。
それにしてもビールをグビグビと飲んでいて、この調子では料理が出る前に飲み干してしまいそうだなというタイミングで、おでんの大根が出された。
サービスだろうか、突き出し的なポジションだろうか、とにかく大根は、美味しかった。
ああ、この店の料理は美味しいんだ、きっとなんでも全部、と確信させる味だった。
実際、注文していた揚げ出し豆腐、うまき、どちらも美味しかった。
居酒屋のフードメニュー、というより“和食だぁ”という一品だった。
日本酒が進む。
料理がうまいと酒がスイスイ進んでしまう。
独りで酒と料理を楽しんでいて“割烹の味 大衆の値”というフレーズが脳裏に浮かんだ。
それは、残念ながら閉店したらしい東京の「三州屋 神田本店」という店の暖簾に書かれていた言葉。
こちら「天友」も、正に“割烹の味 大衆の値”よいう店だった。
この店は、友人知人に教えたい、勧めたいと思ってしまう店だ。
そして俺自身、また行きたいなと思う店だ。
この店に行ったのは2020年11月20日
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