思い切りよく立ち飲みに振り切っているのも好感もてるものだ福岡市東比恵の酒屋「千成屋」

俺は角打ちのできる酒屋が好きで、できれば昔ながらの小ぢんまりした店舗に殺風景なカウンターがあつらえてあってアテは乾きものしかないって店が好きだ。
調理したアテが豊富にあって立派なカウンターがあるよりも、フラっと立ち寄って酒を飲むだけって店の方が好き。
椅子が用意されてると、妙にガッカリする。
そして酒の小売りはもう止めていて、これはもう単に元酒屋がやってる飲み屋じゃないかって感じの店には落胆する。

てなことは、俺の勝手な言い草だ。
酒の小売りだけで売り上げを店を維持していくのが困難になっている今、それぞれ創意工夫したり苦渋の決断をしていろんな形態で店を続けているってことは判っている。
その上で、個人の好みをあれこれ言うのもまた俺の自由だわ。

で、東比恵の「千成屋」さん。
割と何年も前から立ち寄っていて、けっこう好きな店だ。
だが昔ながらの小ぢんまり、ではない。
むしろ店舗スペースのほとんどを立ち飲みスペースに割り振った店だね。

千成屋

調理されるアテも、けっこう豊富。
おまけに最近は椅子完備になっちゃって、それは少し残念。

それでも酒の小売りは続けてて、実際にこないだ花見の際にポン酒をここで買った。
そして立ち飲みスペースの冷蔵ショーケースにはビールやポン酒が並んでいて、好きなものを見て選んで飲める。

千成屋

こちらは、いつ行ってもだいたい賑わっている。

千成屋

お客さんがいっぱいで、楽しそうに飲んでいる。
あまりロケーション的に有利とも思えないんだが、この店を好きな人たちがいっぱいいるんだなと感じる。

成功してるケースだと思うんだよね。
酒屋が酒屋でありながら、今のご時世で流行っているモデルケースの一つと言えるんじゃないかな。
コンビニFCになったり廃業して駐車場になっちゃたりするんじゃなくて、酒屋でありつつ立ち飲み屋として繁盛して存続していくっていうのは、酒屋が少なくなってる中で見てて嬉しくなる。
そういうわけで、この店がなんだか好きなんだな。

そういった理由だけじゃなく、新酒の季節には新酒が、ひやおろしの季節になればひやおろしが飲める。
美味しい酒をお出ししますよ、という気持ちを感じるから好きなのもあるな。

ところで。
こないだカレー食ったんだけどさ。
なんで酒屋の立ち飲みでカレー食うんだよって思われるかもしれないが、なんか妙な流れで食ったんだよ。
これが、目が覚める美味しさだった。
なに本気でカレー作ってんだよww、っていう高いクオリティの一品だったのよ。
酒屋のお母さんのアットホームなカレーっていう方向性じゃないよ?
カレー屋やるつもりなの? ってくらいマジもんのカレーだった。

機会があれば、食ってみて欲しい。
いや、美味しい酒を楽しんだ後でね。

↓「食べログ」での店舗情報

千成屋居酒屋 / 東比恵駅博多駅