西鉄貝塚線名島駅の近くにある「だるまや酒店」を訪ねて、他にも角打ちできる酒屋があるという情報をもらった。
すぐ歩いて行ける距離だったので行ってみたが、たまたま休みだったのか廃業したのか、営業していなかった。
それは残念だったが、道すがら、気になる店を見かけた。
昔の一軒家のような建物がポツンと、だが青いテントが映えて意外と目立つ。
「泰洋軒」か。
飲み屋ではないな“食事の店”とあるし、古き良き定食屋という感じかな。
店先にベンチが出ていて、食事を終えて出てきたのであろうオッチャンがタバコを喫っていたから店内は禁煙か。
白い暖簾が風にはためき、店内はけっこうな客入りのようで人気がある店なんだなと想像させる。
店に入ると実際、満席に近いようだったが、カウンター席の奥の空席を案内してくれた。
大きく空間を確保した厨房を囲むようにL字形のカウンターがあって、それが店内のほぼ全てのスペースを占めていてテーブル席などはない。
厨房内は2つの区画に区切られて、調理と配膳で作業分担しているようだ。
正しく料理人という感じの男性と、ちょっとクールビューティ系な雰囲気の女性とで店を切り盛りしていて、お二人はご夫婦だろうか。
目線を上げると可愛いイラストを添えて品書きがペタペタ貼ってある。
いろんな定食を出す店なんだな。
壁にも品書きが貼ってあるが、ラミネート加工されてテカってるので写真を撮っても書いてあることが判別できないなと、撮っていない。
定食屋だが酒を飲もうと思っていたのだが、酒のアテとなるような単品メニューは玉子焼きくらしかなかったので、さてどうしたもんか。
お盆に小鉢などセットしながらキビキビと配膳に勤しむクールビューティお姉さんに人気メニューを訊くと、「とり天定食」がよく出るとのこと。
うん、とり天にビール、いいかもな。
ビールを注文しようと思い、銘柄は何か訊いたら、アサヒスーパードライしかないと。
ああ、じゃあいりません、と注文をやめた。
するとクールビューティお姉さんが、ビール好きな人はキリンがいいよね、昔はキリンも置いてたんだけど、と“ゴメンね”という感じに応じてくれた。
惚れた。
そうだよね、わかってるよね、でも都合があってキリンは置いてないんだね。
ともかく「とり天定食」は注文する。
すると辛子醤油と天つゆと、どちらにするか訊かれた。
どちらがオススメか尋ねると、お姉さんは“好きずきです”と答えた。
惚れた。
そうだよね、人それぞれ好みがあるもんね。
しばし待って「とり天定食」ができた。
天つゆで注文した。
一目見て、とにかく、とり天どっさり。
こんなに沢山あるなら、これはもうビールのお供にするしかないよなぁと思った。
そこでやっぱり、嫌いな銘柄なのは目をつぶってビールを注文すると、笑顔で応じてくれた。
ふわっとしっとりしつつ、サクっとしてもいて、とり天は美味しかった。
嫌いな銘柄のビールでも、とり天が美味しくフォローしてくれた。
とり天が美味しいが、脇役もまた美味しかった。
ケチャップ味のスパゲティ。
結構しっかりと主張する味付けで、添え物にとどまらない存在感だあったな。
それにしてもゴハンの量は“普通”でお願いしていたが、俺にはけっこうどっかりとした量だった。
すごく満腹になった。
大盛りにしていたならば、食いきれない量だったんだろうな。
ここは、腹いっぱい食える定食屋なんだね。
名島辺りって普段の行動圏じゃないから、また行くことがあるかどうか。
でも良いメシ屋だなって感じたから、わざわざまた行くかもしれないと思ったな。
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