おかず一品を選んで午前中から飲める港湾近くの昼飲みオアシス食堂「とみ兵」福岡市東区箱崎ふ頭

昔からやってる庶民の酒場……そういう風情の店が福岡には残念ながら少ないから、新たな光明をメシ屋とか食堂に求めている。
飲めるメシ屋、食堂を探し求めてネットの情報をこまかく拾っていると、東区の「とみ兵」ってのは俺の求める店のようだったので、行ってみた。

とみ兵

「とみ兵」は、箱崎ふ頭にある。
地下鉄箱崎線の箱崎九大前駅で降り、そこからちょっと歩く。
俺にとっては“わざわざ”行くという距離ではあるが、そうする価値はあるという見込みがあった。
箱崎ふ頭にあるということは、港湾労働者向けの店だろう。
きっと俺は気にいるという確信めいたものがあった。

とみ兵
とみ兵

臨港貨物船をまたぐ陸橋の先、福岡都市高速の高架に見下されるように何軒かの飲食店が集まる小さなスポットがあって、そこに目的の店があった。
黄色いテントが目立つ。

とみ兵

間口は狭く店内は薄暗いように見えたが、けっこう明るくて思ったより広い。
オッサンである俺よりもだいぶ年長であるところのオバア……オネエサマ二人が明るく迎えてくれた。

これこそ庶民のメシ屋ですって内装で、カウンター席上部の壁には品書きが貼ってあるが、パーマネントなメニューの数は少ない。
それは、ショーケースに用意された一品おかずを好きに選んでゴハンと汁物と組み合わせて自由な定食を作れる店だからだ。

とみ兵

このシステムが、好きなんだよなー。
見て選べる楽しさがある。
そしてこの、おかずを選ぶシステムというのは、おかずしか選ばなくてもいいということだ。
だから酒のアテになるので嬉しいのだ。
定食しかない店だったら、ゴハンや味噌汁は酒を飲むのに不要なので処分に困っちゃうのだ。
食べ物に“処分“って言葉を使うのも下品ではあるが、実際のところ困るのだ、結局のところ最終的には食べる。

ところで、おかずショーケースを許可を得て撮っていたら、オネエサマ達から“真上からのほうが良く撮れる”と撮影アドバイスをいただきました。

とみ兵

素直にアドバイスを受けて撮り直しました。

一品はどれも手頃な価格で、どれを選ぼうか楽しく迷った。
サバの煮たのとポン酒ってのもいいなと思ったが、暑い日だったのでビール主体で考えた。

とみ兵とみ兵

ビールはラガーとか黒ラベルがなくて残念だったが、選んだ300円おかずの酒のアテ†おしてのチカラが意外とあったので2本いただいた。
灰皿もあって、快適に腰を落ち着けて飲めるよ、店内のテレビで流れる興味のない番組を眺めながら。

俺が立ち寄ったのは平日の午前中、客はまばらだった。
ここは07時から営業しているようで、それくらいの時間帯は朝メシを食う(あるいは夜勤明けのメシを食う?)港湾労働者で賑わうんだろうなぁ。

会計を済ませて店を出るとき、またおいでと見送ってくれた。
うん、また行きたい。
ここは“飲めるメシ屋”の、ひとつの理想形だなぁ。

↓「食べログ」での店舗情報

とみ兵定食・食堂 / 箱崎九大前駅箱崎宮前駅