東京に住んだことはないが仕事やプライベートで東京へ行けばゴールデン街へ足を運ぶ、そんな時期があった。
憧れの場所であるとともに馴染みのある場所、というような位置づけ……だった。
もう違うかも。
今回の東京飲み屋巡りツアーでは大衆酒場や立ち飲み屋を巡ろうと計画したわけだが、やっぱゴールデン街にも立ち寄りたいよなーと思ってもいた。
だがしかし、なんか俺の知ってるゴールデン街じゃなくなった感。
金曜の夜ってのがいけなかったのか、まるで観光地みたいになってるじゃないの。
ゴールデン街ってのは、もっとこうショボくれてなきゃ……いや昔だって立ち並ぶ店のあちらこちらから賑やかな声が聞こえてきて通りは酔っぱらいが行き交っていた記憶はあるけどさ。
なんか今回は違ったぞ、観光名所見物かよっていう団体ツアー客みたいなのがウロウロして、なんかこう大阪の新世界みたいになってねーか?
なんか違和感がね。
カップルや家族連れや外国人観光客ばかり目につく新世界と同じで、いやいやそういう人たちが来るような場所じゃなかったんじゃ? という違和感がねぇ。
まぁ10年くらい前から若い人が新しく店を出す動きはあって、ちょっとカジュアルでオシャレなゴールデン街にシフトしそうだって流れはあったんだけどね。
空きテナントが増えちゃって廃れていってしまうより、新しい潮流がゴールデン街を活性化してくれるのはアリなんじゃないかって空気だったと記憶してるけどね。
それにしても上の画像の、区役所通りからアクセスして最初に目に入る店からして“えっ、これゴールデン街?!”という驚きと違和感。
俺の知ってるゴールデン街じゃない、と思ってしまった。
もっとも週に何度もゴールデン街に入り浸るってわけじゃない、所詮は東京に行ったときにだけ立ち寄ってただけだから、昔から異様に賑やかになる夜もあったんだよと言われればそうですかと答えるしかないんだけど。
俺だって観光客と同じだもんなぁ。
それにしても、どの通りもどの店も人で溢れかえっていて、うらぶれた雰囲気というのは何処にも見当たらず。
適当に2、3軒ほど飛び込んでみようと思ってたんだが、ちょっともうそんな気分は失せて。
それでも、どこかで飲んで行こうと思った。
とにかく、客が少ない店に入ろうと思った。
「平凡パンチ」という見慣れない店があった。
混んでないので入ってみた。
普通に小さい飲み屋だなぁという感じで、壁に「平凡パンチ」の表紙が貼ってあって。
屋号からして昔は「平凡パンチ」の編集やってたんだよっていう初老のオッサンがやってるのかと思ったが、若い女性がカウンターに。
常連らしい初老の男性が、店の女性と普通に歓談していた。
コロナを注文、チャームに乾きもの。
店の女性となにか会話したが、屋号はオーナーの趣味でというような内容だったか。
あんまり印象に残ってないな。
あ、他の店よりチャージは安かった記憶。
とりあえず一息つけた。
なんというか、ゴールデン街に訣別をというほどでもないんだが、もうすすんで立ち寄りたい場所じゃなくなったかもしれないな。
↓「食べログ」での店舗情報
平凡パンチ (バー / 新宿三丁目駅、西武新宿駅、新宿西口駅)