放出駅の近くに、惹かれる商店街があった。
狭く、アーケードが陽光を遮るように薄暗く、入り口から奥に向けて谷を下るような勾配がある。
そんな「みゆき通り商店街」を少し歩いてみた。
まぁ少し歩いたら、すぐに商店街は終わりっていう短さだったが。
緑色のテンタが内側から蛍光灯で照らされ、ちょっと印象的な外観になっている店があった。
よく見ると、お馴染み「力餅」だ。
いや“お馴染み”と感じるのは大阪市に住んでる人だけだろうけど、あちこちにあるよね「力餅」。
ところで「力餅食堂」じゃなくて「力餅」としか表記されてないんだけど、これってどの店舗もそうだっけ。
気になって後で確認してみたら、俺が最も利用した天五中崎通り商店街の店舗は「食堂」まで書いてあった。
その辺、店舗によってバラバラなのかねぇ。
この日は、ちょっと寒いなと感じていた。
季節外れに暖かい日が数日あった後で、あんまり厚着しなくていいやと油断して出かけたせいかもしれない。
とにかく温かいものが欲しくなっていただので「力餅」に寄ったわけよ。
まずお茶が出されて、それで少し温まった。
品書きを眺めるとカツカレーうどん、なべ焼定食など温まりそうなものがあったが、そういう気分ではなく。
ぜんざい、やっぱこれでしょ。
餅に、ちゃんと焼いてくれたんだなぁっていう焦げがあるのが嬉しい。
けっこう熱々だし糖分も摂取して、体温が上昇したという実感を得られて小腹も満ちた600円也。
古びた味わいの店内は、いい感じに雑然としていて心地良かった。
フロアと店頭の物販を仕切る朗らかなおばちゃんの、接客スタイルにほっこり。
やっぱ「力餅」って良いね。