いつか行きたいと思ってた店に、ようやく足を運んだ。
俺はしばしばGoogle Mapsで“食堂”とか“立ち飲み”ってワードで検索して店を見つける娯楽を嗜む。
それで、ときめく店を見つけていたわけだ。
放出駅から徒歩すぐ、いかにも、というか“これこそ”昭和のレストランだなという風情の「赤坂」。
そもそも放出って場所が初めてで、まったく土地勘がないから目当ての店を見つけられるか少し心配だった。
有名な酒場があるでなし映画館はなし仕事が発生したこともなしで、今まで放出を訪ねる機会がなかったのよ。
駅を出て歩き出すと、質実剛健って感じのビルがの上部にデカい看板が目立ってて、すぐ辿り着けた。
まずメニューサンプルのショーケースを眺めて、うっとり。
うまそうな品々が、あれもこれもと絢爛にラインナップされている。
こういうの、眺めてるだけで嬉しい気持ちになるよなぁ。
和洋問わず、大人が好むメニューも子どもが喜びそうなメニューも、ぬかりなく並んでいて楽しい。
正しくファミリーレストラン、って感じ。
それはそうと、ケース内のサンプルが色彩あざやかなんだが。
こういうのってさ、直射日光に晒されて色褪せていることが珍しくなる、それがまた味わいになるんだけどさ。
この店のサンプルは、しっかりと彩度が高くてビビッドだ。
もしかして紫外線を遮断する性能をもったガラスが使われているのだろうか。
さて、一通りメニューサンプルを眺めて楽しんで、核心に迫ろう。
酒のアテになる一品はあるのかな、と。
あった、しかもそこそこ種類がある。
もちろんアルコールの提供もあった。
よし飲める、では参ろう、と。
ねぇ、俺みたいな魂のステージの低いおっさんは、食事より酒なんだよねぇ。
階段を上がって2階へ。
ちなみに3・4階は宴会場となっているが夜に予約しないと利用できないんじゃないかな。
いやそもそも俺は独りなので利用できようはずもないが。
まずビール、キリンラガー瓶があって嬉しい。
つーか、瓶ビールはアサヒを案内されたんだよ最初は。
でもキリンがいいんですが、と言ったら持ってきてくれた。
その際、店内の階段で上に上がったから、たぶん上階の宴会場にはキリンも常備されているんだと思う。
普段はあまり出ないから(あまり酒飲みが来そうな店ではない)、2階にはアサヒだけ置いてるのかな、と。
まぁ2階は“レストラン・喫茶”となっているからね。
それにしても店内は、開店当時はモダンで洒落ていると評されたであろう、昭和の最先端さを感じる。
フロアはいくつかのエリアに分かれ、ちょっと高低のレイヤーもあって、凝った設計なんじゃないか。
施工も大変だったんじゃないか、とか思ったりした。
この空間が、この昭和が香る店内が、禁煙であることは非常に残念だった。
こういう素晴らしい場所は、タバコの煙が漂っていてこそではないか。
いやでも喫煙可だと子どもが入れないからな。
今を生きる子どもにも、親に連れられてこの店を体験して欲しい気持ちがある。
俺がガキの頃、こういう感じの店に憧れを抱き、現在ではノスタルジックに感じるというやつを。
今の子どもにも“昭和”てちゃつを感じてもらったら面白いよなぁという気持ちも。
なので、禁煙はやむなしとする。
ビールのお供に、ハムエッグとカニコロッケ。
洋食屋さんのハムエッグだなぁという見た目が素敵、500円也。
カニコロッケゆうてもカニの身なんぞ入ってやしまへんよね、420円也。
まぁどちらも、レストランの単品料理らしさが感じられて、まぁ良かったです。
期待通りに昭和っぽさを楽しめて良かった、禁煙であること以外は。
放出はあんまり行きやすい場所ではないが、再訪の機会があればランチ食ってみるのも楽しいかもと思った。