高槻には行ってみたい店がいくつかあったが（Google Maps調べ）、どこも空振りした。
げんなりしながら路地を徘徊してたら、惹かれる外観の店があった。
古びて草臥れた感じが俺の好み「あんきや」。
店先にメニューなどの情報がなく、店内の様子も伺えない。
ちょっと事前知識がないと入るのに勇気が要るタイプだが、それが良い。
ガラガラと引き戸を開けると、いきなりカウンター席で、席数は6だか7だか、小ぢんまり。
平日の13時台、ほとんど満席状態で、そして高齢男性ばかりという様相だった。
引き戸を開けたら高齢男性がズラリ、という絵面に、少したじろいだ。
この日は既に朝から飲んでてビールには満足していたから、おもむろにチューハイ。
喫煙可能店で嬉しい。
ところでテントには“立呑み”とあったが、ぜんぜん座る店だったわ。
俺よりちょい上の年代かしらってママさんがやってる店で、高齢男性はみんなママさんのファンかな。
そんな風に思える、なんだか和やかで微笑ましさもあるような空間。
とくに注文してないが、淡路の新玉葱とか、めかぶ（? というものを俺はよく知らない）とか。
そういうのは突き出し、お通しとして出てくるのかなと思ったが、確信はないがどうも無料サービスっぽかった。
カウンター上に貼られた品書きを見ると、「霧島」「くろうま」「里の曙」など九州南部なラインナップ。
ママさんに九州ご出身か訊いてみたが、別にそういうわけではなかった。
まぁ俺は焼酎乙類が苦手なんで飲まないわけで、菊正宗をいただいた。
最初はたじろいだわけだが、案外なかなか居心地の良い店で。
のんびりと常連さんとママさんとの会話を酒の肴に、高知の「四万十川」もいただいた。
予備知識なく通りすがりに立ち寄ったが、ひとときの安息の地となった。