「鴬谷ミュージックホール」は実在の小屋、そんな風に考えていた時代が俺にもありました。
実際は、架空のものだったわけです。
だが、初めて訪れた鴬谷は、そこはかとなく淫靡な気配を漂わす町なのでした。
いや、そこはかとなくっちゅーか、駅前からいきなりラブホ街じゃん?
まぁ住んでる人には悪いかもしれないが、なんとも猥雑な感じが良いところだねぇ。
そんな鴬谷で人気の飲み屋「信濃路」へと飲みに行ってみたのです。
駅を出てすぐだったのに、最初に裏口を発見してしまった。
初めての場所に降り立つと、まず地図を見ずに無駄にウロウロするのが好きだからなんだけど、裏口から店内の様子が窺えるのに入り口がわかんなくて困惑した。
ま、すぐに表に回ってみたんだけどね、でもまた入り口がわからん?!
違う店が隣り合ってるのかと思っちゃったんだよねー。
いや、でもマジで初めてだと困惑しない?
俺がアホなのかしら?
無事に店内に入ると、いい感じの客入りで賑わっていたが、いい感じにダラっとしていた。
あ、客がね。
店側は忙しくしてたよ。
客が、酔っぱらって騒ぐでなく孤独を噛み締めながら苦い酒を煽るでなく人生について熱く語り合うでなく、なんだかユルい空気で飲んでいた。
俺は適当にカウンター席に陣取り、こういうの良いなと思ったね。
心地良いぜ。
トマトハイを注文すると、焼酎と氷の入ったコップと缶のトマトジュースが出てきた。
コップにトマトジュースをいい加減にドボっと注ぎ、このあと割り箸でかき混ぜて美味しくいただきました。
カウンターの中には数人の大陸系と思われる女の子がいて、大陸系と思われる言語でキャッキャと笑いあいつつ働いていた。
なんだよテメェ日本人にわかんねぇ言葉で笑ってんなよ日本人バカにしてんのかコノヤローなどと、酒場によっては絡む酔客もいるかもしれないと思ったが、ここではそういうことはなかった。
女の子たちは仕事を楽しんでいるだけで、真面目にやっていたのでフツーにカワイイなと思った。
カウンターに座った視線の目の前にメニューの短冊が下がっていて、いろいろアテがあるなぁ。
なんだか揚げものが多い気がするが、たまたま座った位置から見えるところにそういうメニューが多く下がっていたのかもしれない。
トマトハイには揚げものも合うかもと思ったが、あっさりとポテトサラダにしました。
卓上に調味料が用意されているので、食塩を振りながらポテトサラダを食いました。
振り返った壁側には食事メニューが。
ゴハンもの、麺類、中華、いろんなものがあるねぇ。
そんなに食事メニューは安くはないけどね。
この店は24時間で、いろんな需要に対応できるんだな。
メシを食っても酒を飲んでも、それがどんな時間帯でもできるということだね。
なんて素晴らしい。
「信濃路」は大森と蒲田にもあるようで。
そちらにも行ってみたいと思うが、どうだろう鴬谷の町の雰囲気だからこその「信濃路」って部分はないかな。
いやわかんないね、機会があれば別の店舗にも行ってみたいね、そして此処にもまた来たいな。
↓「食べログ」での店舗情報