北海道、十勝あるいは帯広の、ローカルグルメ的な豚丼。
肉厚な豚肉を甘辛いタレをからめて焼いた、見た目ガッツリで肉々しくも香ばしい……であろう豚丼を、いつか食べてみたいなぁとずっと思ってた。
そう、俺は北海道の豚丼を食べたことがない。
そもそも北海道に行ったことがない。
だから豚丼を食ったことがない。
けっこう昔に、友人から帯広豚丼のタレをいただいたことがあって、それで自作してみたけど、それはなんか違うかもしれない。
そう、そして違うといえば、メシ系ファストフードで“豚丼”という名称で販売されているものは、あれは豚丼とはぜんぜん違うものだよなぁ。
と、まぁ前置きが長くなったが、豚丼に思い入れがあるということです。
そして、俺の食いたい豚丼に近いであろうものが、福岡市で食えるということを知った。
「さとうの豚丼」という店で。
それは行ってみねば。
店舗情報によると、店は七隈にあるとわかった。
城南区の七隈かぁ……遠いな。
実は、「さとうの豚丼」のことを最初に知ってから、けっこう時が流れた。
だって遠いから。
しかし、ある5月の晴れた日に、晴れているが気温はそう高くなく風の涼しい日に、意を決して七隈へと向かったよ。
チャリで。
チャリを漕ぎつつ、ときおり止まってiPhoneでGoogleMapsを確認しつつ、俺は七隈へと向かった。
うーん、ちょっと待てよ、ここまで無駄に話が長くなってるな……読んでくれてる人が飽きちゃいそうなので、ここで豚丼の画像を貼っておこう。
はい、豚丼。
豚丼画像、いかがだったでしょうか。
俺も豚丼のイメージを脳内に浮かべつつ、チャリを漕いでいたわけです。
もうだいぶチャリ漕いでるなぁ、そろそろ目的地に近づいてるよなぁ、そう思い地図を見ると、あともうちょっとって感じだなぁ……と、思っていたら。
うん? あれ? いま通り過ぎたのは……豚丼?
風にはためくノボリに、豚丼って文字が踊っていたような?
しかし地図を確認しても、そこは目的地ではなかった。
しかし、やっぱここって「さとうの豚丼」なんじゃない?
戻って確かめてみる。
おぅ、やっぱ「さとうの豚丼」だわ。
もうちょっと先だと思っていたら“急にたどりついてしまう”って感じだった(余談だが、そういうタイトルの映画があるのです)。
うん、なんか頭に疑問符が残ったままだが、ここなら入ろう。
とにかく店に入って、テーブル席に着いた。
卓上には豚丼のメニュー、そして屋号も記されているから間違いなくここは「さとうの豚丼」だ。
よし、安心した。
安心したので、まずは焼いた豚をアテにしてビールとか飲めるかな、とスタッフに声をかけた。
残念ながらビールは、まだ用意ができておらず、今の時間帯は焼酎しか出せないとのこと。
うーん、仕方ないね、まぁ昼(俺が立ち寄ったのは12時ちょい過ぎだった)だから仕方ないね。
では、豚丼だ。
注文してしばし、いよいよ豚丼が出てきた。
うわぁ〜。
これよ、これ。
こういうのが食いたかったのよ。
厚みもあり面積もある豚肉が、タレを絡めて焼かれており焦げ目なんかが魅惑的。
さっそく食うと、期待通りの、これが豚丼なんだなぁという満足感を得た。
ようやく豚丼を食って満足し、気持ちが落ち着いて、ふと気づいた。
俺が目指していたのは七隈にある「さとうの豚丼」だが、ここって兄弟店ってか二号店的なものか、と。
そう考えて店内を見渡すと、こう言うと失礼かもしれないが内装とか急いでカタチにしましたって感じがある。
そこでググってみたら、なるほどこちらは片方店ということなんだ。
うむ、そういうことか。
本店を目指していて、予期せず二号店に先に辿り着いたというわけか。
店内の壁には、豚丼以外の品書きがいろいろ貼ってある。
夜は居酒屋っぽい使い方も、ちょっとはできそうだね。
それにしても豚丼ってうまいなぁ。
俺が食いたいと思ってたのってこれだよね、っていう満足感を得たよ。
↓「食べログ」での店舗情報
さとうのぶた丼 片江店 (豚丼 / 七隈駅、福大前駅、金山駅)