角打ちできる酒屋が大分市に何軒かあるようで、それは是非とも行きたいと思った。
まず駅から遠いところに先にと、だいぶ歩いた。
おそらく大分駅から20分ほど歩いて、目的の酒屋が見えてきた。
「御手洗酒店」という店で、すごく趣のある佇まいだから歩いてきた甲斐があるなと感激した。
鄙び具合、これも大分ならではかもという感慨。
しかし、営業していなかった。
わざわざ来たという気持ちがある俺には非情なことに配達中ということだ、が、配達というのも酒屋さんには重要な業務なので、いやらしくも他所から角打ち巡りという気持ちで訪れた俺なんぞの事情は汲まれるべきではない。
しかし私情としてはせっかく来たのにと思うので、近くに神社があったからそこのベンチでしばし開店を待った。
神社には心地よい木陰があって、涼しく過ごせた。
実はこのあと他にも酒屋を訪ねて配達中で待つということやはりがあって、この時点で俺は気づいていなかったのだが、お中元シーズンで酒屋さんは忙しい時期だったんだよな(大分に行ったのは7月の下旬だったんだ)。
神社で過ごしたあと再トライしたが開いておらず、これはもう本格的に他所で時間を潰さねばと駅近くまで戻って商店街をウロウロしたのち再々トライしてようやく角打ちできた。
店内には鉄道模型、そして多くの蔵書が目をひいた。
模型や本の持ち主は、かなりの趣味人だったと思われた……どうやら故人であるようだった。
店を切り盛りされる御婦人の、連れ合いの方だったのだろうか。
なんだかすごくノスタルジックで、ややセンチメンタルな気持ちになりそうになったが優しいノスタルジックさに包まれた気分でもあった。
↓「食べログ」での店舗情報
御手洗酒店 (バー・お酒(その他) / 大分駅、牧駅)