マイペース親父の賑やか酒場「居酒屋 吉忠」東京都豊島区北大塚

更新をサボっていた時期の積み残し……この店に行ったのは2019年3月半ばの水曜の夜。

ひさしぶりに大塚を訪れたら、様変わりしていて虚を突かれた思い。

居酒屋 吉忠

星野リゾートだかが噛んでる再開発だかで、下品にギラギラした飲屋街みたいなのができていて、その呆れるほどのギラギラっぷりは俺にとって悪夢のような光景だった。
そんな惨状を背に、マンションの一階にぼんやり赤い灯りが。

居酒屋 吉忠

俺好みに古びた外観の場「居酒屋 吉忠」、その赤いテントと提灯の灯りが救いに見えた。
砂漠でオアシスを見つけた気持ちで、ガラガラと引き戸を開けた。

IMG_009719.jpg居酒屋 吉忠

店内はだいぶ賑わっていたが、ほぼグループ客ばかりだったのでカウンター席は空いていた。
それにしても雑然とした店で、演歌歌手なんだろうなって人たちのレコ発だかライブ告知だかのポスターが貼りまくられていて、すっごい場末感。
まだ現存してらっしゃいましたか、って感じのギターを抱えた流しの人が来るかもって感じ。

居酒屋 吉忠

なにはともあれ俺はビールを飲みたかった。
黒ラベル瓶、いいねぇ。

居酒屋 吉忠居酒屋 吉忠

アテに、鯖を焼いてもらった。
じっくり丁寧に焼いてくれたようで少し待ったが、すごく美味しそうに仕上がっていた。
これは酒が進むやつだなと、ビールを飲み干して日本酒をお願いした。

テーブル席のほうはずっと賑やかで、それはどうやら店の親父による作用のようだった。
各テーブルに“いっちょかみ”して、テキトーなツッコミを入れたりマイペースに振舞っている。
その様子が、マイペースな無責任男といったていで、それが実に憎めない。
一方、女将さんはカウンターの中で厨房を切り盛りしつつ、俺のような独り客に優しく接してくれる。

IMG_009716.jpg居酒屋 吉忠

どこから? と女将さんに訊かれ福岡と答えると、競艇が好きで福岡の競艇場にも行ったわよと話してくれた。
見上げると全国ボートレース手拭いみたいなものが貼ってあり、確かに競艇がだいぶ好きな様子。
このひと福岡からだってよ、と女将さんが親父に声をかけると、親父がわざわざ“ほらっ”と福岡競艇の投票券(って言うのかな)を持って来て見せてくれた。
いや、見せられても(苦笑)。

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鯖と日本酒をやってたら、サービスだと柿ピーが出てきた。
柿ピーにはビールだろ、と改めてビールを注文。
俺が店に入った時点で先客だったグループは、ぼちぼちと店を後にしていき賑わいも落ち着いてきた。
親父のトークのターゲットに、俺がなる順番が来たようだ。
そう思ったが、まだ客足は途絶えなかった。
仲間内でバンドやってるといった感じの、若者グループが訪れた。
すると、そんなに若者が聴くような音楽を知らないだろうに、テキトーにトークをかます親父が微笑ましい。
本当にフリーダムな親父だなぁ。

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冷奴が出てきた、これもサービスとのこと。
うーん冷奴には日本酒だなと、徳利もうひとつ。

そんなこんなで、フラっと立ち寄っただけなのに予期せず2時間ちょい、この店で飲んでた。
楽しい時間だった。
まぁ『千鳥』的に言えば“クセがすごい!”って店なのだが、良いねこの店。

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吉忠居酒屋 / 大塚駅前駅大塚駅巣鴨新田駅