夢だった、は言い過ぎかもしれないが。
いや、ずっと憧れてたのは間違いないな、アフタヌーンティー。
さすがにオッサン独りでは行けないな、と今まで機会を得られずにいた。
俺は大衆酒場とか立ち飲み屋とかは初めての店でも躊躇なく入れるタイプだし、なんなら女子かカップルばかりで中年男性単独なんか場違いでしかないであろう「スイーツパラダイス」にだって独りで行けちゃうんだけど、独りアフタヌーンティーだけは無理だった。
だってねぇ、親しい人との会話を楽しみながら、ゆっくりいただくものでしょう。
そういう文化背景があるものだと思うんだよね。
黙々と食って飲んで、はいゴチソウさん、ってものじゃない。
それに、基本的に二人分で盛られているもんだって印象もあるよね、一人前のアフタヌーンティーって、すごく絵にならない気がする。
そんなこんなで、憧れを抱きつつもアフタヌーンティーを楽しむ機会は今までなかった。
関東圏から大阪へ遠征に来るから、一緒にメシでもというお誘いが友人からあった。
その友人は女性で、これは俺にとってアフタヌーンティーの好機だった。
男性だったらアフタヌーンティーは、ほぼほぼ喜ばないだろうからな。
そんなこんなで、だいぶ前置きが長くなったが、「西洋茶館」へ。
この店は、けっこう前から行きたいと思っていた。
大阪でアフタヌーンティーを楽しめる店のなかで、だいぶリーズナブルな料金設定。
そして、建物が趣きがあって良い。
楽しい庶民の商店街にあって、ここだけ周囲から浮いてるヨーロピアンな外観。
店内はクラシカルで、かつエレガント……いやここはあえてカワイイと表現したいな……カワイイ。
なんだか、リリカルでロマンチックなんだよねぇ。
ちなみに、訪れたのは17時台後半。
もうアフタヌーンじゃなくてイブニングでしょって時間帯だったが、アフタヌーンティーは注文できた。
徐々にセットアップされてゆく。
まずはティーカップ、しばらくしてティーポット。
まとめて一斉にサーブされるんじゃないんだね、せかせかしないのも、嗜みか。
ティーポットは保温目的のティーコージーに包まれていた。
紅茶はストレートティーにした。
俺は毎日やたらコーヒーを飲んでいて、紅茶を飲むのは久しぶり。
カトラリーがセットされ、次いでクロテッドクリームとジャム。
これをスコーンにつけて食うんだよね、と知識として知ってたが実物のクロテッドクリームを初めて見たわ。
ついに主役が現れた。
ティースタンドに、3段重ね。
これだ、これに憧れてたんだよ、ようやく対面できたよ、と感無量。
下段は、スコーンとパウンドケーキ、それにジャムの瓶。
正直、この皿だけで腹が満ちてしまいそうと思ったほどスコーンが重量級。
中断はサンドウィッチ、ハムとキュウリだけが挟まったシンプルなもので、これがイギリス流だよねって気分(イギリスに行ったことんどないくせに)。
最上段はスイーツいろいろ。
イチゴがサンタクロースっぽくて、これはクリスマス仕様なのかな。
スコーンからいただきました。
下から上へと攻略するんだという予備知識は仕込んでいたが、イギリス留学経験のある友達によると、せっかく焼きたてで温かいスコーンが冷めないうちに、という理由でスコーンからとの説明に納得した。
ふたつに割ったスコーンに、まずクロテッドクリームその上にジャム。
うん、うまい。
ゆっくり1時間半ちょっとかけて、ぜんぶいただきました。
腹が満ちたし、気持ちも満ちた。
初めてのアフタヌーンティー体験は、とても満ち足りたものだった。
ちなみに瓶入りのジャムは、お持ち帰りできる。
お土産というか、記念にもなるなぁ。
こちらのアフタヌーンティーセットは一人前1,750円(税抜き)で楽しめる。
これは、かなり破格だと思うよね。
こんなにリーズナブルなのは「西洋茶館」ならではだと思う。
素敵な店だなぁ「西洋茶館」。
この店に行ったのは2019年12月04日
↓「食べログ」での店舗情報