ひっさびさの堺東、大阪の人は“ガシ”って呼ぶよね。
けっこう好きな街なんだけど、なかなか足を運ぶ機会がないのだが、機会を作って昼酒しに来た。
立ち飲み屋などが林立する堺東商店街を一通り見て周ると、まぁ盛況な店の多いこと。
賑やかでなによりだが、俺は酒場巡りなんかが好きなくせに、実は賑わってる店はちょっと苦手だ。
落ち着いた店構えの「高砂屋」、味わい深いねぇ。
この界隈では、ちょっと異質かもしれない佇まい。
店内もいいね、これはたまらん風情だね。
立ち寄ったのは12時をちょっと過ぎたところ、先客は無し。
周囲の立ち飲み屋は午前中から営業してて、早く酒を飲みたくて我慢できない飲兵衛諸氏にとって、12時オープンのこの店が開くのが待ちきれない模様。
そういった訳で、俺が口開けの客だった。
まずビール、キリンラガー瓶があって嬉しい。
アテに、目の前の冷蔵ショーケースに小鉢なんかも並んでいたが、昼飯も兼ねてのハムエッグ。
朗らかな女性店員さんが、いい感じに話し相手になってくれた。
前述の、早く酒を飲みたくて我慢できない飲兵衛諸氏は午前中から開いてる店に飛び込んじゃうって話は、彼女から聴いたものだ。
それで、この店の12時台というのは俺にとって心地よいエアポケット状態になっていたわけね。
いつも独り飲みがデフォルトである俺には珍しく、この日は知人が合流した。
そしてしばらくして、店の大将もご出勤。
大将、というかオーナーというか社長という人物だね。
この方、もう80歳を過ぎているとのことで見た目は燻し銀の渋いジイサンなんだけど、めっさ元気だ。
よく喋る方で、店の創業当時のこととか経営哲学とか金に関する考え方とかを常設に、しかも明るく説教くささゼロでまくしたてる。
もはやエンターテインメントっつーか話芸といった境地で、起業を夢見る若者とか感銘を受けるんじゃないかしら。
知人も大将の話しによく食いつき、俺も講談でも聞くように、それを肴に酒がすすむ。
ウイスキー、シングルが300円と安いので、カパカパと何杯も飲んだ。
なんてこたぁない6Pチーズってのがまた、ウイスキーに合う。
非常に楽しい昼酒だった。
この店には、また訪れたい。
この店に行ったのは2020年12月02日
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