素敵な空間で甘美なケーキを「純喫茶 洋菓子 ボンボン」名古屋市東区泉


“名古屋の喫茶店モーニングすごい”と言われる風潮があるが、俺はそれはブラフかフェイクだと思っている。
喫茶店のモーニング文化が豊かなのは大阪じゃんと体感し実感している。
でも名古屋で、かなり素敵な喫茶店に出会った。









市営地下鉄桜通線の高岳って駅から歩いてちょい、「純喫茶 洋菓子 ボンボン」。
洋菓子店を併設した店で、こちら側は喫茶店の顔だな。









直角に曲がってこちら側は洋菓子店の顔か。
もっとも、大きく開口した窓から窺えるのは喫茶店の店内だが。









ケーキのラインナップが豊富で、さすが洋菓子店併設だね。
価格は税込みで、どれもリーズナブルな価格設定と感じたな。
このとき09時を少し回ったところで、10時までのモーニングを注文できる時間帯だったが、ケーキだ。
俺はケーキが大好きだ。









ドリンクはソーダ水を選んでみた、小さな焼き菓子が付いてきた。
ケーキは、NO.3(人気度?)とランク付けされている、サバランを選んだ。
どうしてそのサバランを選んだかというと、サバランというものを知らなかったからだ。









それはどんなものか知らないから知りたいという好奇心と、メニューに載ってる写真の見た目で選んだ。
カップケーキっぽいものにホイップ、その頂上にドレンチェリーっぽいものが据えられた、昭和っぽさ。
なんだか懐古的な可愛さを感じたので注文したわけです。
食べてみたら、本体はスポンジケーキというよりパンに近い食感でありつつ、どっぷりしっとりしていた。
これはブランデーだろうかラムだろうか、あるいはどちらもか、豊かに香る酒のフレーバー。
洋酒をたっぷり使ったシロップに、本体がどっぷり浸かった洋菓子というところか。
艶やかで、とても甘美なものだった。



後になって調べたところ、だいたい合ってた。
不二家によると“洋酒をしみ込ませたブリオッシュ生地にクリームを合わせた大人向けのケーキ”とのこと。
Wikiったところ、ラムやキルシュを使うらしく、フランスの菓子であり、昔は“ババ”と呼称されていたと。
ふむふむなるほどと知識欲は満たされつつ、このサバランというものをまた食いたいなと思った。









ケーキセットという設定はないが、ソーダ水とサバランで合計730円だから、お安いね。
あと、伝票の手書き風味店名ロゴがチャーミングだね。
そういえばメニューブック表紙のクマもキュートだね。









店内は、堂々たる純喫茶の趣きだ。
経年を感じさせるクラシカルな風格がありつつ、丹念な手入れを怠らない結果であろう、品の良さを感じる。
天井はキラキラとして見えるが決して華美で下品ではない。
椅子の座面、背もたれは鮮やかな配色だが、革の風合いと落ち着いた光沢で、やはり上品だ。









店内あちらこちらのディテールも見逃したくない美しさ。
照明も勿論、美しい造形。



準象として、この上もなく素晴らしい空間なのだ。
だが、だからこそ、禁煙であることが非常に残念だ。
これほど素敵な喫茶店空間でタバコが喫えないなんて、勿体なさ過ぎる。



ここからは余談だが、禁煙であることは入店時に把握したので、だからソーダ水を飲んだんだよね。
本来なら、喫茶店ならコーヒーを飲むよねって人間だからね、俺。
でも禁煙だからコーヒーを頼まなかったわけ、コーヒーを飲むならタバコは欠かせないから。
コーヒーとタバコは、切っても切れないし切ってはいけない関係性なので。



ついでにもうひとつ余談だが。
会話のなかで俺が“禁煙の喫茶店なんてありえない”とお気持ち表明すると、次のように言う者がいる。
“そうですよね喫茶店の喫は喫煙の喫ですもんね”と。
そのように言われた経験が、現実に2回だか3回だかある。
それ、違うからね。
もちろんリアルな会話の場面では、その都度すぐに訂正している。
茶を喫する店、で喫茶店だよ。
喫茶店という呼称は、喫煙とは関係ないよ。
まぁ、どうであろうと、俺にとってコーヒーとタバコは切っても切れない関係であることは揺るがないが。





この店に立ち寄ったのは2023年09月07日
↓「食べログ」での店舗情
ボンボン喫茶店 / 高岳駅久屋大通駅東大手駅