でも駅の飲食店って閉店が早いんだねぇ、腰を落ち着けて飲めそうな店を見出せなかった。
博多駅の中で飲むのは諦めて、地下鉄で住処の最寄駅へ。
大正通りの「サニー」地下に小規模な飲食店街がある。
あ、「サニー」って九州人にしか馴染みがないかもしれないな、「西友」のスーパーマーケット形態なのよね。
フロアをぐるっと回ってみてから「てっぺん」という店に入ってみようと決めた。
白い提灯には“めし処”とあるが、外観はいかにも酒を飲ませる店だという気配がある。
カウンターがあって小上がりがあってと、昔ながらの個人経営居酒屋って造りの店内。
テレビで地上波のどうでもいい番組が流れているのも良い。
カウンター席に着き、まだ若い大将からおしぼりを受け取る。
瓶ビールは何があるか訊くと赤星があるとのことで、迷わずそれを。
ビールを飲みつつ、お通しのつくねをつまむ。
ツユに浸かって温かく、しっかり味付けされて酒のアテになるものだった。
もう晩秋じゃなく冬だなって感じる夜に、暖まるお通しが出ると嬉しいもんだね。
メニューを眺めると、酒も料理もいろいろ揃う。
なにか食べものをと思案していると“ハーフとかもできます”と大将から。
それは有り難い、俺はそんなに量を求めるほうじゃないんで助かるわ。
肉豆腐をハーフでお願いした(メニューの表記は肉々豆腐だったかな……うろ覚え)。
熱々で、こんもりたっぷりな量で、食べやすいように取り分ける小皿も出してくれた。
肉は細切れではなく、甘辛く味付けられて繊維を感じる塊で食べ応えを感じた。
肉豆腐に合わせてポン酒、萬代上撰を冷やで。
溢れんばかりに注いでくれて嬉しい。
カウンターの奥にはキープの焼酎瓶が並び、常連の多い店なんだなと判る。
近所の勤め人が多いそうで年齢層も高めだが、若い人も来るそうな。
店内のBGMは、このときはド演歌だった。
しかし大将はレゲエとかヒップホップが好きそうな匂いがあった、けれどド演歌も面白いと感じていて客層に合わせているだけでもないようだ。
実は俺は演歌が嫌いなんだが、店の居心地は良かったのでポン酒をもう一杯。
なんだか、昔ながらの正統派居酒屋の空気のひとつの舞台装置として演歌も許容できたって気分かな。
気持ちよく飲める店だったな。
↓「食べログ」での店舗情報
てっぺん (魚介・海鮮料理 / 赤坂駅、天神駅、西鉄福岡駅(天神))
夜総合点–