初めての土地を訪れるときには、純喫茶あるかなぁって下調べをする。
尼崎にも、ぜひ立ち寄ってみたい純喫茶がいくつかあった。
雨の降る日曜の朝、1軒の純喫茶に行くことができた。
商店街から少し外れたところにある「ジャワ」。
まずはもう外観が、いやもう既に外観だけで心を掴まれた。
ヨーロッパの小さな洋館といった趣きがあり、それでいてストライプのテントの下は町の庶民喫茶店の風情。
その融合が、なんともいえず魅力的。
ディティールも味わい深い。
金属の窓飾り、ステンドグラスの照明看板など、格調高さと可愛らしさで二度美味しいって感じ。
ここまで、この店に辿りついて外観を眺めまわすという段階までで、もはやご馳走様ですという気持ち。
だが、まだまだ、店内も素敵だった。
なんだかなぁ、ヨーロッパの古城の地下にあるサロンのような……いやそんなの行ったことないけど……そういう古めかしく薄暗くも寛げる空間、というように感じた。
庶民階級の自分は、こんな場所には不釣り合いでごぜぇます、みたいな上等な感じ。
天井も壁も素敵。
天井にも壁にも、何十年にも及ぶ上等な時間が染み込んでいるって表情がある。
存在感のある金属製の燭台みたいな照明も、演出が効いてる。
椅子も可愛いんだよなぁ。
カウンターとフロアの席とで椅子が違うが、どちらも可愛い。
カレーを食べた。
純喫茶、に限らず俺は喫茶店ってコーヒー飲みながらタバコを喫う店という扱いだから、あまり食事はしない。
モーニングとかでトーストやサンドウィッチくらいは食うが。
でもここは屋号が“ジャワ”だしカレーは推しているようだし、やっぱカレー食おうかなと。
あぁ欧風カレーだな、きちんと洋風のカレーだな、という美味しいものだった。
食後にコーヒー。
昔ながらの店として、当然ながら喫煙できるというのが素晴らしい。
喫煙できる喫茶店は良い喫茶店だ。
とても満足した。
そうやって満足した帰り際に、マダムに話しかけてみた、ここはとても素敵な喫茶店ですねというようなことを。
するとマダムが、気が済むまで見ていってということをおっしゃってくれたので、自分が利用した席の他の空間も見て回らせていただいた。
店内の一角のテーブル席は、とても気品高く、この席で貴婦人たちがお茶会をするんだろうという品の良さがあって素晴らしい。
そういうところを、マダムがい案内をしれくれて、やはりこの店のそのものに価値があるなと感じたし、この店に来ることができて良かったという多幸感を得た。
尼崎に来て良かったな、と思う喫茶店だった。
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