堺筋、アーケードのある電器街は、その名の通りの店かアニメショップかエロ映像ソフト屋ばかりのように見えて、実は角打ちできる酒屋があるのよね。
恵美須町駅から近い「井上竹商店」。
こちらの店、何度か近くまで来たが休業日だったり角打ちできる時間帯じゃなかったり、あるいは盛況過ぎたりで立ち寄るタイミングを逸していた。
ようやく立ち寄れて嬉しかった。
店先の暖簾に萌えキャラ……日本橋ならではだな。
あとで店の人に訊いたら、これは既存のアニメとかマンガとかゲームのキャラではなく、日本橋のキャラだそうな。
けっこう雑然とした店内。
先客として、おそらく大陸から観光の女性二人組が酒を購入していた。
ふむ、酒を小売りしてるんだ。
あとで店の人に訊いたら、「山崎」などジャパニーズウイスキーを買い求める観光客が少なくないそうな。
で、それはそうと、酒を小売りしてる店で酒を飲めるのだから、これは正しく“角打ち”だな。
で、さっきから“店の人”と書いてたのは、そこまで愛想の良いわけでもないが一見の変なオッサンである俺にもフランクに接してくれる女性の人だ。
この店の主人の娘さん、といった感じか。
とにかく酒を一杯。
冷蔵庫からビールとか缶チューハイということもできたが、カウンター上にあった封の開いてそうな酒を。
なんていうことのない、日本盛。
そういうのを飲むのが、角打ちの流儀なんだ、俺にとって。
アテは乾き物以外は冷蔵庫からと案内されて、6Pチーズを。
うん、しみじみ、正しく角打ちだ。
灰皿がカウンター上にあったのでタバコが喫えるのかと訊くと、それを外に持って出て喫ってもらうためのものだと。
なるほど、酒屋の角打ちでは店内は禁煙なことは珍しくないので、納得。
商品を陳列してて、不特定多数の客が訪れる小売り店の中でタバコってのは……と重度の喫煙者である俺でさえ思う。
いろいろと、正しい。
なんでヲタクタウンに、こんなに正しい角打ちできる酒屋が、と思うほど正しい。
いや、この店が先にあって、いつのまにか周囲がヲタクタウンになったんだろうけどね。
↓「食べログ」での店舗情報
井上竹商店 (立ち飲み居酒屋・バー / 恵美須町駅、今宮戎駅、大国町駅)