それは日本各地で言えることだと思うが、福岡でもやはりそうなのです。
福岡市中央区那の津には競艇場があり、その正面入り口前に「酒処ひろ」という立ち飲み屋があるのだ。
那の津は、西鉄福岡(天神)駅から徒歩10分ちょい。
福岡市民には、福岡市唯一のミニシアターとなってしまった「KBCシネマ」のちょっと先と言えばわかるかな。
俺はギャンブルやんないんで競艇場に用はないんだが、この「ひろ」には昼酒をするために何度か行っている。
そこそこ広い店内には数人が立ち飲めるテーブルがいくつも島のように配列され、数カ所の壁や柱にモニターが設置されている。
そのモニターでは競艇の模様が映し出されているってわけよ。
客層は、舟券を買ってるオッチャンが主で、酒を飲むことよりレースの行方のほうに夢中な様子。
たまにオッチャンの嬌声や怒号があがり、それをBGMに俺は我関せずと酒を飲むわけだ。
この空気、集団の中で俺は部外者で関係ない存在であるというストレンジャー感がなんだか好きで、ここで酒を飲むのが好きなんだよね。
いやまぁ、それもあるけど酒もアテも安くて昼から開いてるってのが大きなベネフィットでもあるんだけども。
店に入って右手に注文カウンターがあって、そこでまず酒やアテをキャッシュオンでたのむ。
酒の選択肢はけっこうあり、アテも豊富に用意されている。
作り置きの惣菜類は、一部を除いて150円という安さ。
まずカウンターのオッチャンに瓶ビールを注文した。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
中瓶500円也と一緒に、厚揚げを煮たのと刺身をもらった。
刺身はブリで、小皿なんて気の効いたものは出てこないんで卓上の醤油を刺身に直に垂らすことになる。
それにはちょっと抵抗があるんだが150円だから文句を言う気にはならないし、値段以上に美味しい刺身だった。
さて、そうやってカウンターで注文するだけじゃなく、入り口脇にはビールの自販機が設置してあるからそれを利用してもいいし、それよりも楽しいのが店内にある酒の自販機だ。
金を入れたら一杯分の酒を買える自販機が、数台設置されてるんだよ。
自販機は何種類もあって、たとえば焼酎なら何種類か銘柄別に自販機があるのだ。
これがね、楽しいんだわ。
そんなわけで俺も自販機で酒を買ったぜ、福徳長ひや一杯200円也。
自販機の脇にはワンカップの空き瓶が綺麗に洗って用意されているから、それを注ぎ口に置いて金を入れる。
ちゃんとたっぷり注がれるよ、上の画像はちょっと一口飲んじゃった状態。
なんかねぇ、自販機で買うと余計に美味しい気がするわ、ほんとに“気がする”だけなんだけど。
注文カウンターのオッチャンもオネーサンもフレンドリーなんでそちらで注文してもいいし、そのほうがいろんな種類の酒を選べるんだが、自販機で買うのが楽しいんだよね。
ところでこの飲み屋、いつも開いてるわけじゃないのよね。
実は俺も、この数ヶ月で二回ほど空振りをくらっている。
まず、競艇が開催されてないと店が開いてないから開催情報を事前にチェックしておかないと空振りってことになる。
そしてまた開催をチェックしていても悪天候でレースが急遽中止になることもあるから要注意だ。
この日は、そんなに混んでなかったな、よく知らんけどそんなに大きなレースじゃなかったからだろうか。
だから店のオイチャンもそんなに忙しそうじゃなかったんで、ちょっと話しかけてみた。
昔はこの「ひろ」以外にも競艇場前に何軒かの立ち飲み屋があった記憶で、そのことを訊くと確かに以前は店が並んでたが今ではうちだけになりました、とのこと。
ついでに、昔は自販機の数がもっと多くてウイスキーの自販機もあったでしょと訊くと、確かにあったとのこと。
だよねー、ウイスキー買ったことあるもんニッカだったか。
それとレース実況のモニターも、もっと多かったような気もして、すごく殺伐とモニターを睨みつけてるオッサンがいっぱいいた気がするよ。
競艇ファンってのも、減ってきてるのかね。
競艇は正直どうでもいいんだが、この店は存続して欲しいなぁ……そのためには競艇は不可欠だけどな。
そんなわけで、競艇ガンバレ。
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↓「食べログ」での店舗情報
酒処ひろ (立ち飲み居酒屋・バー / 天神駅、中洲川端駅)