いつの間に和風になったんだ。
福岡の酒好き・バー好きならば、知ってる人は知っていた所在不明バー「空蝉」。
なにしろ住所とか電話番号とか公開してなかったから知らない人はぜんぜん知らない、という店だった記憶。
今は情報公開してるのね。
昔は、え〜っとね〜、住吉神社のね〜、ひょうたん池のね〜、郵便局がね〜 ……というような、決め手を欠く情報だけが酒好きの間で流布されていたように覚えている。
今は住所も電話番号も公開されてるから、すぐに辿り着けるだろう。
けっこう久しぶり、たぶん5年以上ぶりに立ち寄った。
そしたら、こんなに和風なテイストだったっけと驚いたのだ。
店内のレイアウト、カウンター内のキッチンのシンクや窓、といったものは変わっていない。
だが意匠が、そこかしこ和風になってるよねぇ。
あ、いや昔はカウンターのみだったような気もしたが、今はグループ席っぽいものが用意されてるね。
ま、常習的な飲酒で脳が萎縮してる俺の記憶も信用はできない。
昔からこんな和風テイストだったかもしれん……いやでも、少なくとも店主は和装じゃなかったよな、そんで髪をもっと長くしてたよな。
ま、いいや、変わってようがいまいが健在なら。
さ、飲もう。
俺にとって此処は、ラフロイグをめちゃめちゃ揃えているバーなのだ。
普通のバーにもだいたい置いてあるラフロイグ10年はもちろんのこと、カスクストレングスにクォータカスクに18年にセレクトカスクに見たことも聞いたこともないのとか、とにかくやたらとラフロイグが揃ってた。
ラフロイグを愛する店主の店という認識だから、此処ではラフロイグを飲む。
いやー、しかしラフロイグずいぶん値上げしたよねぇ、なんて店主と話しながら飲む。
それはそうと灰皿が、灰皿にするのが気がひけるほど趣のある皿なんだよなぁ。
さて、せっかくの和風テイストなのでポン酒を飲もう。
店主に見繕ってもらい、緑川を。
うん、細かいことは判らんが、うまい。
この店、もうだいぶ長いことやってるよね。
今泉にあった「貴流」とか大手門だか黒門にあった「樋口」が民家改装の隠れ家バーとして人気だった頃から「空蝉」もあるよね。
長く続けてくれると嬉しいよね、何年かぶりにでもフラっと立ち寄れるから。
というのは、客側の勝手な言い草だな。
いやまぁ、もっと長くやってください、また行くから。
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