黒地に白ヌキで“500円”と書かれていて、目立つ。
なにが500円か確認したくて足を止めてよく見ると、とんかつ定食とかヒレかつ定食が500円ってか。
それは安いよなぁ。
さらに近づいてみると、カレー290円とか書いてあって超安いなとか思ったが、それは残念ながら15時からのタイムサービスであった。
立ち寄ったのは11時台だったのでタイムサービス適用外だが、メシを食いたい腹具合だったので利用することに。
屋号は「とんかつ大将」。
店は、けっこう混んでいた。
まだランチのピークって時間帯じゃないと思ったが、フロアに並ぶテーブル席は、もう7割方は埋まっちゃってる印象だったな。
奥に壁を向いたカウンター席があって、そちらへ。
目の前にメニューが貼ってあり、見ると定食が780円〜、かつ丼も780円〜とか書いてあって、あれそんなに安くないんじゃ? と裏切られて気がした。
フロアを仕切るオバチャンが出してくれたメニューを見ても、全体的に安くはねぇよなぁと感じた。
懸命にメニューから安い品を探して、かつ丼(並)580円を注文することにした。
注文後、セルフの水など飲みつつ店内を観察するうち、この店は“あの”「とんかつ大将」だと、遅まきながら気づいた。
俺も何度か利用したことがある、とにかくやたらデカいトンカツを提供する店だ。
俺が利用したのは博多駅南だが、こちらにも店舗があったのか。
そうか、“あの”「とんかつ大将」ならばトンカツ定食にするべきだったかと思ったりしたが、まぁいいや。
しばらく待って、かつ丼が提供された。
目の前のものに、いくつかの感想を同時に持った。
三つ葉とかネギとかの彩りが一切ない。
ワカメの切れ端みたいなのが浮いた味噌汁が貧相。
なぜスプーンが?
総じて、あまり良い印象は受けなかった。
かつ丼単体を、さらに注視する。
俯瞰的に見ればただただ茶色いと映ったが、よく見ると玉子がたっぷりと使われていて、黄身のよく火の通った箇所と半熟のところと、白身の生っぽい加減などが複雑な表情を見せている。
その玉子に覆われたトンカツは、でっぷりとしたボリューム。
そして、けっこうなツユダクで、なるほどスプーンの意味がわかった。
ここらで、第一印象は払拭された。
が、さて食おうと丼を持つと、ツユで指が濡れた。
提供が雑だなぁ、と印象はまた良くない方向に振れた。
だがしかし、実際に食い始めたら、これがもう……うまい。
こういう言い方は店に失礼かもしれないが“下品なうまさ”がある。
わかりやすい、甘めで濃い味付け。
こういのが、俺はとても好きだ。
カツはしっかりした食べ応えがありつつ、適度にやわらかい。
大きさ、厚みが満足感を与えてくれる。
このレベルが580円で食えるとは嬉しい、素直にそう思えるものだった。
そもそもカツ丼が600円以下というのは有り難い価格設定だが、値段の何倍かの価値を感じた。
博多駅南の店舗ではトンカツ定食しか食ったことがなかったが、かつ丼うまいんだなぁ。
今回はたまたま通りすがっての利用だったが、次は意図的にわざわざでも訪れたいと思った。
↓「食べログ」での店舗情報
とんかつ大将 筑紫通り店 (とんかつ / 竹下駅)