市ヶ谷といえば、釣り堀、大手印刷会社のあるところ。
その程度の事前知識しかない状態で、昼のみできる場所を探した。
とくに当てもなく都営市ヶ谷の辺りを歩いていたら、いい感じに飲めそうな店があった。
「瓢箪 ひょうたん」、“午後3時より営業の店”と掲げてあって、ああ目的の店が見つかったという感じ。
階段を降りて店舗は地下一階。
なんというか、垢抜けない風情が良い。
まだ開店したばかりという時間帯で、先客はなかった。
が、それなりに広いテーブル席のフロアは予約で埋まっており、カウンターに案内された。
まぁカウンターがもともと好きなので、やぶさかでない。
まずビール、キリンだが一番搾りしかなくて残念ではあったが、スーパードライしかないよりは数十倍よろしい。
お通しに白和えが出たので、このあと日本酒いっちゃう流れかなという予兆。
メニューを眺めると、酒のアテになるようなものが、というより日本酒が進むようなものがいろいろと。
そこから鯖のへしこを選んでみた。
食べたことはなかったが、“へしこ”というのは福井県の郷土料理ってものなのだよね。
これがまぁ、塩っぱい。
昔ながらの食材貯蔵方法としての塩漬けってことなんだろう、かなり塩っぱい。
しかしそれがもう、日本酒が進むわけだよね。
最初はマスプロダクトな「豪快」を飲んだが、地酒も揃う店だったから宮城の「一ノ蔵」も。
それにしても、へしこ一皿で何杯でも飲めちゃう勢いで、昔の福井の人の塩分摂取量とかアルコール摂取量が心配になるくらいだ。
昼下がりから、腰を据えて飲んだ。
予約の団体客が来てからバタバタの忙しい様子だったが、店員さんから放置されるようなこともなく気遣いいただき、心地よく飲めた。
予備知識なくたまたま良い感じの店に出会えて“俺って持ってるなぁ”という嬉しさも感じたな。
↓「食べログ」での店舗情報