弁天町駅(JRと大阪メトロ)から南に5分ちょい歩くと、昔ながらの商店街があるね。
なかなか寂れた商店街だが、その中にあって賑わっている「手打うどん きぬや」。
うわぁ昭和だ、昭和のままの姿だ、という店先の様子が素敵。
うどん、そば、関東煮を店頭販売していて、その光景は時代考証がなされた映画のセットの様でもある。
でもセットなんかじゃない、現在もなお地域の人々に利用されているリアルなものだ。
これでもう既に、俺のハートは鷲掴みにされていた。
店頭での販売だけじゃなく、店内での飲食もできる。
スタッフ(家族経営かなぁ)の作業場を囲むような、酒場のコの字カウンターのような造り。
平日の17時台、遅くなり過ぎた昼食だか早過ぎる夕食だか、いろんな人たちで盛況。
注文を済ませ、しばし待つ間に店内を観察していると、常連らしい兄やんが店の隅の冷蔵ケースへ。
なるほど、そこに酒があって、そこから客が自分で手に取るのか。
ふむ、飲めるのなら飲もうと缶チューハイを選ぶと、店の人が氷の入ったグラスを出してくれた。
やがて、注文したものが提供された。
焼きそば、豚玉入り500円也。
素晴らしく、唆るビジュアル。
この店のことは、記憶が定かじゃないが、たまたまTwitter(現:X)のタイムラインで見かけたんだったか。
店頭の画像を見て、とても魅力を感じて、いつか訪れようと思ってたんだよね。
その機会はなかなか作れないまま、何度かGoogleMapsで健在を確認しつつ、投稿された画像を眺めていた。
すると、店頭や外観の画像だけでなく、提供されている商品にも惹かれるようになったわけよ。
なかでも、豚玉入りのやきそば、それは俺にとって、その見た目だけで大きな訴求力があった。
すんげぇウマそうに見えた、ということだ。
そういうわけなんで、ちょっと大袈裟に言うと、念願の焼きそば豚玉入りが、遂に目の前に。
すんげぇウマそう。
グシャっと潰れちゃった目玉焼きがうまそう、テラテラとソースを纏った切れっ端みたいな豚肉がうまそう。
そう、ジャンクな感じがたまらねぇな、という種類の魅力に溢れているってやつよ。
食ったら、超うまかったんだわ、これがまた。
ちょっとびっくりするぐらい、衝撃的なぐらい、うまかった。
いやごめん、うどん食うべきだったかなーとかも思うんだ。
自家製麺で、きっとダシもうまいんだろうなーとか。
しかし焼きそば豚玉入り、これが強過ぎるんで、たぶん再訪してもまた焼きそば豚玉入りを食ってしまうだろう。
これを書いている今、焼きそば豚玉入りを食いたくなってしまっている。
とはいえ、店先から感じる良さ、昔からやってるうどん屋さんっていう風情も、本当に良い。
お店の人のホスピタリティ、下町の暖かさみたいな空気感も良い。
これはもう文化遺産として保護するべきだと思っちゃうほど、良い。
ちなみに残念ながら禁煙なんだけど、まぁこの際、それは良いよ。
酒を飲むための店じゃないから、大丈夫。
喫煙可だと子供とか来れないからね、学校帰りの中高生とかに寄り道してもらいたいわ、この店は。
うん、なんかこう「タベノミー」なんかに載せちゃいけないかも、ぐらいに素晴らしいよ。
この店に立ち寄ったのは2023年08月08日
↓「食べログ」での店舗情報
手打うどん きぬや食堂 (うどん / 弁天町駅)