朝っぱらから豚汁を求めて京都へ。
豚汁を求めてというのは間違いではないが、より正確に言うと豚汁を出す店の看板を見たくて、かな。
いつだったか、たぶんTwitter(なにがXだよこの野郎)で見かけたんだたったかの、看板の写真。
ユニークで味わい深い看板で、ちょっとこれは実物を見に行きたいよなぁと思っていた。
これだ。
ぶたじる
めし
シンプルにしてインパクトが強く、可笑しさもあり風格さえも感じる。
これを、自分の目で見てみたかった。
俺にとって好感度が高いのは、“とんじる”ではなく“ぶたじる”である点だ。
俺は物心ついたときから豚汁は“ぶたじる”と認識していて、“とんじる”はモヤっとする。
堂々たる“ぶたじる”表記が、この看板をより素晴らしいものにしている。
素敵な看板の本体は「食堂かどや」という店。
最寄駅はJR西大路駅、そこから歩いて10分かからない。
京都というとオーバーツーリズムが問題となっているようだが、この辺は観光客が見当たらず平穏。
豚汁、めし、それしかない店ではない。
むしろ、それ以外がいっぱいある。
冷蔵ショーケースにはお造りとか肉系とか、その横のテーブルには煮物とか焼き魚とか。
これだけいろいろあったら、ご近所さんが毎日のように利用しても飽きないだろうな。
そして俺には、酒のアテがこんなにたくさんあって楽園だな、という風に見える。
そんなわけで、朝だがビール。
キリンラガー瓶があって嬉しいし、灰皿があるのも嬉しい。
ビールのお供は、なんかチャーシューみたいなハムみたいなものを。
平日の07時台、酒を飲む不埒な客は俺だけかというと、ぜんぜんそんなことはなかった。
もちろん普通に朝食をとっている客も少なくないが、けっこう本格的に飲んじゃってる様子の客も。
アテになるものが豊富だし、腰を落ち着けて飲めるよねぇ。
俺も焼き魚で日本酒いっちゃおうかと思ったりもしたが、いやここは酒より豚汁を。
ぶた汁450円、ぶた汁小400円、ここは小でいいか。
めし、大から少々まで選べて、店内に寮の目安となるサンプルのディスプレイがある。
たぶん俺は少々でいいな。
ぶた汁小と、めし少々、漬物が付く。
うん、めし少々けっこうな寮だわ、小にしなくて良かったと思えた。
めしに比べて小ぶりに見えるが、ぶた汁小もまた濃密だ。
根菜いろいろ入ってる系、ではぜんぜんない、豚肉と豚肉と、あとタマネギと豆腐もちょっと入ってます系。
豚肉が入ってりゃ豚汁じゃん、イエス。
熱々の汁は、豚肉の旨みと脂にまみれた汁。
とても、うまい。
そして豚肉は本当にたっぷりで、もう豚丼のアタマか、ぐらいに豚肉。
この豚肉でごはんを貪りたい、めし中でもいけたかな、ぐらいに豚肉。
最高だな、すごく満足した。
朝から電車で京都まで、わざわざ行ったわけなんだけど、満足しかなかった。