【残念ながら閉店】暖簾に染め抜かれた文句に偽りなし大衆の割烹「三州屋」神田本店

<追記:2021年12月04日>
こちらのお店、2018年に閉店してたんだねぇ。
たまたまTwitterのTLで知った。
残念。
でもまだ、神田駅前店があるんだね。
行ってみたいな。

<初回投稿:2015年05月30日>
素敵な店だなぁ「三州屋」。

三州屋:外観

店先の紺の暖簾に“割烹の味 大衆の値”と白く染め抜かれている、その文句の通りの店。
大衆食堂のような雰囲気と値段で、美味しいものが楽しめる。
そしてもちろん酒だって楽しめるんだよ。
素晴らしいね。

平日の昼どき、昼メシを食う客でいい感じに盛況だった。
混雑しているというほどではなく、カウンターにゆったりと場所を確保できた。
ビジネスマンがせわしなくメシを搔き込んでるという空気ではないから、気兼ねなく酒を飲むぜ。

三州屋:お通し

酒はなぁ、なんか地酒とか有名な銘柄とかじゃないんだぜ白鶴だよ。
俺も注文するとき酒を常温で、としか言ってないし。
なんだか、辛口純米どうのこうのと好みうるさく注文するんじゃなく、ただ酒であればそれでいいってな気持ち。
そういう気持ちになるね、この店は。

どうでもいい店って意味じゃないよ、なんだかここで少しの時間を過ごす事自体が楽しいから、細かいことはいいじゃないのって、おおらかな気持ちになる。
てなことを、まだ酒に手をつける前に思った。

店の佇まい、店の人や客が醸す空気、注文する声と承る声、カウンターの造り、徳利と猪口、お通しの南蛮漬け、それらが視覚や聴覚や臭覚や触覚などで感じさせるんだな、寛ぎを。
そして寛ぎながらも、ちょっと良いとこに飲み食いに来たっていう背筋の伸びる満足感も。

などと、味覚ではまだなにも感じてないまま、もうけっこう多幸感に浸った俺。
さっさと酒とアテを楽しめってーの。

酒をチビリとやりながら、お通しだけでも酒が飲めるが安いアテがいっぱいあって楽しいから、なにか注文しようとメニューを眺めて考えた。
このチビリとやりながら思案する時間もまた楽しい。
出汁巻と板わさを注文した。

三州屋:料理

ふたつが一つの皿に盛られてきた。
こういうの俺、好きだな。
皿の上が賑やかになって楽しいし、カウンター席の自分の専有スペースはそんなに広くはないから、むやみに皿で埋め尽くされずに済むのも精神衛生上、良い。

さて俺の他には食事をなさる客のほうが、やや多いかな。
近い席にいた方が定食の注文をしていたら、味噌汁はどうするかと店のオバチャンに訊かれているのを小耳に。
ほう、選べるのか味噌汁を。
ちょっと俺も味噌汁が欲しくなったな、東京での4日目、連日朝から夜まで飲み歩いていて、なんだか身体のために味噌汁など飲んだほうが良いような気もした。

三州屋:料理

豆腐の味噌汁を注文した。
赤だしで、豆腐と三つ葉、これはたまらん超うまい。
俺は九州育ちだが九州の味噌が好きじゃなく、赤だしが大好きなんよ。
アルコール分解の激務に追われる内臓が癒されるような気がするぜ。
ああ、味噌汁って良いものですね。

そんなこんなで、風情も良し味も良し、そして大衆の値という素晴らしい店だったわ。
とても満足した。

↓「食べログ」での店舗情報

三州屋 神田本店割烹・小料理 / 神田駅淡路町駅小川町駅