東京には“すた丼”というものがあるんだなと、飲み歩きに行った際に池袋でわざわざ食ったなぁ。
ま、いっぺん食ったらもういいや、というものだったんだけどね。
ある日、渡辺通サンセルコの地下で“スタ丼”なるものをアピールする看板を見かけた。
本家が福岡市に出店したわけではないようだが、でもキャッチコピーやデザインの色味は“すた丼”を連想させるようなものだった。
ふーん、インスパイア系っつーかリスペクトってゆーか、二番煎じ的なものか?
ま、機会があれば面白半分に食ってみるかもしれんね、くらいに思った。
それからすっかり時が流れて、ある日「さとうの豚丼」を食べて炙った豚肉って美味しいねと思った。
これはきっと、十勝の豚丼の美味しさを再現してるんだろうなーと感じた。
そこからの連想で、そういえばサンセルコに東京の“すた丼”らしいものを出す店があるんだったなと思い出した。
ググってみたら、店はまだあるようだったので、そのうち行ってみようと思った。
それから月日が流れて、あの店はまだ存在するんだっけとググったら水曜は安くなるんだと知った。
よし、じゃあ水曜に行ける日があったら“スタ丼”ってのを食ってみようと思った。
そんなこんなで、それほど積極的に食いたいとも思っていなかったくせに、ずっとちょっと気になっていた「稲田屋」の“すた丼”をようやく食べに行ったのだ。
事前に得ていた情報通りに、水曜はスタ丼590円が500円と、90円も安くなってる。
豚マニア丼というのもなにやら気になったが、ここはスタ丼一択で。
サンセルコ地下の、割と奥のほうにあって目立つロケーションではなく、小さい店舗だなと感じる外観。
店に入ると、わぁ狭いなぁと実感したし、席はほぼほぼ埋まっていた。
昼メシ時を避けて13時半頃に行ったのだが、水曜はスタ丼が安いということで混んでいたのかもね。
なんとか空席に滑り込んで、注文してしばし待つ。
ご夫婦でやっておられるのかな、厨房の男性もフロアの女性も忙しく業務に勤しんでいた。
待ってる間に、すた丼の食べ方なる指南に目を通しておいた。
すた丼は、初見で“想像したよりアッサリ?”とおう印象だった。
そこまでタレまみれではなく、臭覚的にニンニクまみれではないと感じた。
まずは、そのまま食う。
玉子をまぜて食う。
うん、うまい、控えめにうまい。
それから卓上の調味料やスパイスを使う。
辛味噌を、ちょっとつけて食う。
ブラックペッパーを、ちょっと振って食う。
そして最後に出汁をまわしかけて食った。
指南に忠実に従ってみた。
うまい。
出汁かけた状態が、俺には一番うまかった。
豚肉の味付けが控えめなのが、出汁に浸ってちょうどいい美味しさ。
これは、想像した“すた丼”インスパイア系っつーか、ぶっちゃけパクリというものではなく、独自のものだと思った。
ユニークな美味しさがある。
どんどん人気が出て、もっと広い店舗に移転できたら良いよなぁと、要らん世話ながら思った。
ここは居酒屋っぽい一品もあって酒も飲めそうなのに、狭くて混み過ぎて、ゆっくり飲もうという気にはならない。
広いとこに移れたら、もっと客も入れられるし丼以外のオーダーで客単価も上がるんじゃないかなぁ……いや本当に要らん世話だしオマエには関係ねぇよって言われそうだね。
夜は、ゆっくり飲めるのかもしれないしね。
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