酒屋の角打ちって、ちょっとした寂寥感がつきまとうものだと思わないか。
だがここは、とても盛況でエネルギッシュなんだよ。
まぁ客層はジーサンバーサンが主だが、そこそこ若いのもいる。
ここに集うジーサンバーサンは長い人生の果てに流れ着いたって感じではなく、現役感がすごくて元気だ。
もう、ウルサイほどに元気でね。
夕方になると、ほぼいつも満席で、かなり賑やかで騒がしいほど。
古びた酒屋で、また場所も判りにくいってのに、なんでこう客が集まるのかって不思議なほどだ。
那珂川沿いの古い家がごちゃごちゃしてる辺りで、どう行くのが判りやすいかな……美野島商店街の端の小さい郵便局がある角を住吉通りの方へ入って行く、というルートがいいかな。
店内はレジを囲む小さな立ち飲みカウンターと、あと立ちテーブルもあるな。
狭い店で、いつもたいがい人口密度が高い。
さて、この日も結構な客が入っていて盛り上がっているのが外から見えたので、切り込んでいって立ち位置を確保するためテンション上げて“こんちはー!”と声をかけながら中へ踏み込むと、“こんちは!”と返事された。
えらいノリのいい酔っぱらいだなと思ったら、知ってるオジサンだった。
旧知のオジサンと、思わず何年かぶりの再会をしてしまった。
で、なし崩しにもうオジサンの相手をすることになって、ゆっくり飲めなかったな(苦笑)。
いや、元気で良かったと思ったけどね、それはそれで。
冷蔵ケースからキリンラガー缶を出して、その場で店主に金を支払って飲む。
酒屋だから店にあるものは買って飲めるので、2人とかで来たらワインを1本なんてこともできる。
アテは店にある乾きものを買うか、用意されている料理をもらう。
この日は俺はアテを注文しなかった(オジサンとの会話が忙しく注文する余裕がなかった)が、隣の隣くらいのオバサンからレバーの焼いたのが、お裾分けとして回ってきた。
俺はレバーが苦手だが、ありがたくいただきました。
このエントリーに画像が少ないのは、忙しかったからなんだ。
テンションを下げて、会話を中断して、ということが許されないノリだったのよ。
いや、別に知り合いに遭遇しなければ、一人で周囲の盛り上がりに我関せずで飲めるんだけどね。
んー、でもこの店の場合は、もうわけがわからずテンションを上げて周囲に溶け込んで飲むべきかもしれんね。
女性を連れて行ったりしても、見知らぬジーサンから話しかけるようなノリだからな。
そんなこんなで、独り静かに角打ちを楽しみたいって人には向かないと思うよ。
だが独特で楽しい角打ちだ。
美野島の角打ちといえば栗屋酒販のほうがよく知られていると思うが、こっちのほうが俺は好きかな。
福岡でディープ角打ちに行きたければオススメだよ。
↓「食べログ」での店舗情報
クリヤ酒店 (立ち飲み居酒屋・バー / 渡辺通駅、西鉄平尾駅)