<追記:2020年02月09日>
久しぶりに立ち寄ったのは2019年12月30日だが、20202年代もこの店は健在だ。
この店が営業してると、本当にホッとする。
熊本において掛け替えのない酒場だ。
末長く、と切に願うばかり。
<追記2017年10月02日>
久しぶりに立ち寄ることができた。
この店が健在で、本当に嬉しい。
熊本市の繁華街である新市街から、ちょっとだけ外れたところにある「福の屋」。
この店を知った当時、熊本市で昼酒を楽しめるのは、ほぼここだけと言って間違いないだろって状況だった。
ここがなければ、俺は精神を病んでいたかもしれない、いや大袈裟じゃなくて本当に。
今は生活圏が違うから、なかなか立ち寄れない。
すごく久しぶりに訪れるのが、ちょっと怖かったな。
震災をきっかけに店をたたんでしまってるかも、という心配があったから。
しかしそれは杞憂で、変わらぬ姿で店は営業していた。
あ、いや姿は変わってたわ。
なんか店先がスッキリしてるような? と初見で感じたんだが、暖簾がキレイになってたわ。
あらあらキレイになって良かったねと思ったが、同時に、以前は“呑み処”と暖簾に書いてあったのに見当たらないし、もしかして食事オンリーになって酒は飲めなくなったのかと不安を抱きつつガラガラと引き戸を開けた。
ママさんとオヤジさんが迎えてくれて、目が合うとすぐさま“酒、飲めます?”と訊いてしまった。
以前と同じように、昼から飲める店だということは変わってなかった。
何人かの先客があって、楽しげに飲んでいた。
良かった。
まずビール。
変わらずキリンラガー瓶があって嬉しい。
ママさんに、だいぶ久しぶりですねと言われ、ご無沙汰を詫びる。
暖簾のことを言うと、以前と同じ暖簾の業者さんは廃業したとかで同じデザインで作り変えることができなくて、それで“呑み処”という文言は入れられなかったとオヤジさんが応えてくれた。
ビールのアテはどうしようと品書きを眺めていると、ママさんが“チーズ?”と声をかけてくれた。
ああ、そうチーズ、よく注文してたな。
プロセスチーズを海苔で巻いたもの、これが好きでね。
よく注文してたものを覚えてくれていて嬉しいな。
チーズときたらウイスキーね、ハイボールで。
ビール、チーズ、ウイスキー、これがいつもの流れだったな。
ああ、いつもの「福の屋」だ。
昔ほどは、昼酒砂漠ではなくなったなと感じる熊本ではある。
昼から飲める店をググってみると、まとめ記事もいくつかヒットするようになった。
が、そういう記事で、ぜんぜん「福の屋」は触れられていない。
いまだに知る人ぞ知るって扱いなのか。
ま、ネットのまとめ記事にスルーされててもいいや、リアルな酒好きに知られていれば。
このブログを読んでくれるような酒好きが知ってくれればいいか。
本当に好きな店なんだ。
ぜひ一度、行ってみて欲しいな。
<初回投稿2014年10月13日>
熊本は昼酒砂漠だ。
昼から酒が飲める店が、ほぼほぼ壊滅的に、ない。
ランチタイムにビールも飲めますよ、って店ならある。
イタリアンならワインが飲める店もあるし、注文すればカクテルを飲める店もあるだろう。
違う、だが違う。
それらは、飲み屋ではない。
あくまで“ついでに”とか“ランチタイムにちょっとやんちゃしてテヘ”とか、軽いんだよ。
本格的に、確信的に昼酒を飲むのとは違う。
どうせランチタイムで飲めることは飲めるよって店は、だいたいアイドルタイムがあるじゃないか。
14時とか15時とかから、閉めちゃうじゃないか。
それじゃーダメだろ。
昼どきや昼下がりに、フラっと立ち寄って本格的に飲めなきゃ、昼酒ゆっくり楽しめないだろ。
だいたいよー、昼酒が楽しめる飲み屋もなくて、なにが政令指定都市だよ。
都市ってのはなぁー、昼から飲んじゃうよっていうダメな種類の人間も大きく受け入れる懐があってこその都市なんだよ。
話は昼酒に限らなくて、いろんな生活時間帯に、いろんな趣味趣向で、いろんなライフスタイルえ生きる様々な人が集って様々なスタイルを受け止める機能があってこそ、都市って言えるんだよ。
そんなわけで、俺は熊本を都市だとは思ってない。
そんな熊本にも、昼から飲んじゃう飲んだくれのための“約束の地”はあった。
「福の屋」です。
ここで、2012年1月に『食べログ』に投稿した記事を採録する。
==以下、引用==
どんな者にとっての“約束の地”かというと、昼間っから酒を飲める店を探し求めて彷徨う、自分のような者にとって。
熊本に住み始めて1年半ほどで、ようやく辿り着けた店。
熊本は“昼酒砂漠”だと、ずーっと思っていて、それでも当てもなく店を求めて彷徨っていた。
なんとか15時からなら開いてる店をいくつか見つけたが、それでも決定打といえる処はなかった。
見た目はメシ屋で、カレーライスとか焼そばがウリのように見える。
が、近寄って観察してみたら店先の張り紙に“おつまみいろいろ”と書いてあり、暖簾には“呑み処”と書いてある。
これは飲んでもイイ店だろうと、喜び勇みつつも気を落ち着けて入ってみた。
平日の13時台、引き戸をガラガラと開けると、すでに飲んでるオッサン客がいらっしゃた。
よし、ビンゴだ。
入り口右手にカウンター席、左手に4人がけテーブルが並ぶ。
カウンター奥はキッチンと、焼そば、お好み焼きの調理スペース。
上品さを感じさせるオバサマと、寅さん映画に出てきそうなオジサンの2人で運営している。
テーブル席に座り、ビールを注文。
まだ、遅い昼メシを食う客もいる時間帯、ビールのみの注文は訝しく思われるかと少しだけ危惧したが、まったく杞憂だった。
よし、ビンゴだ、昼から飲める店だ。
こちらの店ではビールは大瓶640円で、いくつかの銘柄を用意しているようだ。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
おでんが美味しそうに大鍋に煮えているので、おでん各種100円を注文。
カウンター席の上に品書きが張られているので、酒のアテはどんなもんがあるのか観察してみる。
玉子焼き、ハムエッグなど単品の他、定食などの食いものメニューが豊富である。
肝心の酒のアテは、ホワイトボードに別途記載してあった。
刺身がいくつか、枝豆や冷奴などの定番、煮込みや揚げ物など、いろいろ揃っている。
酒の種類もけっこうあるから、これはゆっくり腰を落ち着けて飲める店だと、嬉しくなった。
客層は、年齢層高い。
近くにパチンコ屋があるので、そこに通いつつ飲みにも来るという常連が多いようだ。
間違っても若いカップルが来ることは無いであろう、と思わせる雰囲気はある。
オシャレな店では、ぜんぜん無いしね。
もう40年ほど営業してるとのことだし、古びているし、雑然ともしている。
そういうのが好きという自分には良いが、万人に好まれるタイプの店では、正直ない。
が、常連だけを相手にする店ではないし、誰でも普通に受け入れてくれる雰囲気だ。
もし熊本市内で昼酒を求めている人があれば、行ってみて欲しい。
だいたい13時過ぎに店を開けるとのこと。
酒は別として、フツーにメシを食うのもいいかもしれない。
けっこうメニューは多いし、高い店じゃない。
肉焼そばを食ってみたが、盛りつけがワイルドだったが、フツーに美味しくて550円。
単品だが玉子焼きが、うまい感じの油っぽさと塩味で、なかなか美味しかった。
もう何度か利用したが、とても気に入っている。
此処があれば“昼酒砂漠”の熊本でも、楽しく生きていけるなと思わせてくれる店だ。
==引用ここまで==
文中や画像にある価格は、消費税が8%になったときに変わってるので、あしからず。
やたら文字数が多くなったんで、別のエントリーに他の画像を載っけておきます。
素晴らしい店なんだよ。
でもたぶん、ほとんどの熊本の人は、この店を知らないんじゃないかな。
残念だよー、行ってみてよー、だいたい13時過ぎに営業してるよ。
月曜が休みだけど、連休が絡むと変動するので注意ね。
マジで熊本で昼酒を求め彷徨う人の“約束の地”だから。
目指すんだ、「福の屋」を。
『食べログ』での「福の屋」に関するページ