酒飲み文化がプアな熊本では、昼から飲める店というのは珍しいのだ。
屋号からしてイタリアンな店であろうと思われる「トリッパ」。
ワイン酒場とのことだが、けっこう前向きに昼飲みをプッシュしていて好感が持てるね。
なんだか若者向けのオサレな店っぽくて、俺には入るのに勇気が要るのだが昼酒が飲めるのなら立ち寄ってみねば。
ナチュラルにウッディな店内、割と広めのフロアにテーブル席、カウンターの向こうはオープンキッチン。
キッチンに若い男性が2人、フロアに若い女の子、いずれもシャレた格好の若者なので、むさ苦しいオッサンである俺としては場違いでスマンという気持ちになる。
メニューを眺めると、ほほぅ2時間1,500円でワイン飲み放題か。
昼の時間帯14時から18時まではチャージなしで、安価なアテもいくつかあるな。
屋号にしているトリッパは昼の時間帯には出さないようだが、まぁ俺は内臓が苦手なので要らない。
これは、気軽に飲むのに良いじゃないかと思った。
そこまでガブガブ飲もうってテンションじゃなかったから、ワイン飲み放題じゃなくビールを。
アテに、豚バラ肉のリエット380円也を注文した。
380円で、こんなに? というほどリエットたっぷり。
なめらかで、豚の脂の甘みと旨味とが楽しめて、これはお値打ちだなぁと思ったね。
ただ添えられたバゲットが、カリカリってかバリバリなのがちょっとね、もっとシットリのほうがリエットと絡んで良いと思うんだけどね。
さてところで、この店に入ってみようと思ったのは昼酒ができるってだけでなく、表の黒板に自家製リモンチェッロがあると書いてあったからでもあった。
俺は、大衆酒場とか立ち飲み屋が好きだからリモンチェッロなどという飲み物を知らないと思えるだろうが、こう見えてリモンチェッロが好きだ。
まぁ滅多に行くことはないが、イタリアンな店に行って飲み食いをしたら、〆にエスプレッソかリモンチェッロが飲めないと不機嫌になる。
ちなみにエスプレッソにグラッパを垂らしてくれるような店に当たると、すごく上機嫌になる。
まぁそんなわけで、リモンチェッロしかも自家製があるとなれば、それはとても飲んでみたいってことなのよ。
写真がボケボケで恐縮だが、自家製リモンチェッロは水俣産の無農薬レモンを使っているそうだ。
自家製を裏付けするように、漬け込んである瓶が店内に飾られていた。
ソーダ割り、ロック、ストレートでとのことだが、やっぱストレートだろ。
リキュールを飲むサイズのチューリップグラスで出してくれたら嬉しかったが、まぁいいや。
レモンの酸味の爽やかさと、濃厚な甘さが、グイグイ迫ってくるリモンチェッロだった。
美味しいです、満足。
オシャレな店だなぁと物怖じしたが、なかなか良い店じゃないかと思った。
俺が立ち寄った月曜の15時台、先客も後客もなかったが、頑張って昼営業を続けてくれると嬉しいな。
昼から酒を飲むという文化が田舎町熊本に根づくまで、負けないで欲しい。
↓「食べログ」での店舗情報
トリッパ (イタリアン / 藤崎宮前駅、通町筋駅、水道町駅)