福岡市西新「西新亭」は飲めるラーメン屋でもあるが320円のラーメンの魅力が大きい

西新には商店街があって、飲食に限らずいろんな店を眺めて歩くのが楽しいんだ。
そしてまた商店街から地下鉄が走る明治通りへ抜ける細い路地も、穴場っぽい店があって楽しい。

「西新亭」というラーメン屋も、薄暗い路地にある。

西新亭

この店を俺は知らなかったが、ラーメンが安いじゃないか320円だってよ。
俺の愛する「はかたや」の290円よりは安くないが、それに肉薄する安さだ。
別に安ければ安いほど良いし安さこそ全てだと思ってるわけじゃないが、すごく低価格なラーメン屋が「はかたや」の他にもあるんだなっていうのに福岡のラーメン界の層の厚さを感じたね。
ラーメン県ってより、うどん県じゃないかなと普段は思ってるんだけど。
いやいやどうしてやっぱり侮れないラーメン県やね。

西新亭

では320円のラーメンというのを食ってみよう。
店内は厨房を囲むL字カウンターのみ、店に入ってすぐの所に食券マシーン。
マシーンに記載のメニューを一瞥するが選ぶのは320円のラーメンだ。

西新亭

注文が通って、すぐにラーメンがでてきた。
この見た目、うまそうじゃないか。
透明でツヤがある、といった印象。
透きとおるスープに脂が浮いて、とも言い換えられる。

食ってみたら美味しい。
えー、マジでー、230円でこんなにー? って程に。
いや500円は払えるよってレベル。
コッテリギトギトはしてない、でも十分なトンコツ感と旨味。
これはー、愛する「はかたや」より高い分だけの美味しさがあるなと認めざるをえない。

と、思ったのだが。
いや確かにうまかったが、だいぶ後まで口の中に残っちゃう味のクドさがあるな。
そういう感じが、食後1時間くらいまで残ってたかも。
食ってしまえば終わる刹那の味、「はかたや」の方が俺はやっぱ好きかな。

それとはまた別の話で、320円のラーメンしか選ばんしと食券マシーンのメニューを一瞥しかしなかったので気付かなかったが、店を出るときに酒のアテになるメニューがあったんだと気がついた。

西新亭

店主に、昼から飲めるのねと確認すると、そうですと肯定された。
そしてカウンター席の隅で飲んでる客がいたことにも気づいた。
けっこうオールドなレディーが一人で瓶ビールを楽しんでいたのだった。
オールドなレディーに話しかけてみると、上機嫌で昼間によく飲んでるとの答え。
飲んでるビールの銘柄を見るとキリンラガーじゃないか、こいつは素敵だ。

そんなことがあって、後日また昼下がりに訪れた。
今回は、まずビールだ。

西新亭

キリンラガー瓶があって嬉しい。
さて、アテは何を選ぼうか。
餃子やチャーシューは普通にラーメン屋にありそうなので、ちょっとラーメン屋にはないだろうってものを選ぶのが楽しいな。
牛スジ煮込みを選んだ。

大鍋からサッと提供されるかと思ったが、冷蔵ケースから下拵えの済んだであろうものを取り出し鍋にあけて仕上げの調理をしているようだった。
待つことしばしで、煮込みがでてきた。

西新亭

すごくシンプルな。
コンニャクとか、なんもないスジだけの煮込み。
まぁ、ネギの色が映えるシンプルさではある。
食ってみると、まぁ正直そこまで本格的な煮込みってほどでも、ないかな。
でもまぁビールのお供になるよ。

うん、昼から飲めるラーメン屋ではある、けれどもそんなに腰を落ち着けて飲める店でもないね。
とはいえサラっと一杯やるには良いかもしれない。

さて、俺は蕎麦屋で蕎麦を食わなかったりするんだけどね、酒を目当てに立ち寄った場合は。
ここでもビールと煮込みだけでいいやと思っていたところもあったが、ラーメン食いました。
前回の、うまさの記憶が濃かったというのもあるし、安いからというのも大きい。
これが500円超えのラーメンだったら、ビールとアテに使った額と合わせて余裕で千何百円かになっちゃうなとケチくさく躊躇したりするんだが、320円だからね。

西新亭

そんなわけで、2度目にここのラーメンを食ったのだが、やっぱりうまかった。
そして、また食いたいと思った。
うん、「西新亭」のラーメンが、すっかり好きになったようだ。
俺の愛する「はかたや」は店舗がいくつかあって、この西新にも店があるのだが。
西新にいるときだけは「はかたや」じゃなく「西新亭」を選んじゃうかなこれは、と思った。

西新でだけ浮気するよ、ゴメンね「はかたや」。

↓「食べログ」での店舗情報

西新亭ラーメン / 西新駅藤崎駅