路地裏の古びた飲み屋という佇まいが魅力的「自由亭」福岡市博多区冷泉町

いつだったか休日の昼下がりに神屋町あたりから博多まで酔ってウロついていて、その佇まいに惹かれた店。
後日それは地理的にどこだったかウロ覚えで再訪しようにも見失っていたが、ようやく辿り着いた。

自由亭

冷泉町の「自由亭」という店。
祇園から博多駅よりだっけと間違って記憶してたが、酔ったときの記憶はあてにならないもんだねぇ。
最初に昼下がりに見かけた際には、空き地やマンションに囲まれて忽然と古びた背の低い建物がポツンとあって印象的だったが、陽が落ちた時間帯だと辺りに馴染んで、暖簾だけが看板の灯りに浮かび上がってこれもまた味わいがある。

自由亭

ガラガラ、ガラっと(スムースにはいかず)引き戸を開けると、カウンターだけの店なんだね。
カウンターだけでウェルカムだ、俺は独り飲みが基本なので座敷や小上がりは求めない。
立ち寄ったのは18時を過ぎたばかりだったからだろう、先客はなかった。
おばあはんが独りで切り盛りしているようで、瓶ビールはあるか訊くと“そこに”と俺の背後を差した。
ああ、振り返ると冷蔵ショーケースがある。

自由亭

自分でビールを出すわけね。
手前にズラっと嫌いな銘柄のビールが並んでいたが、すこし奥にキリンラガーが1本だけあった。
キリンラガー瓶があって嬉しい。

自由亭

グラスも冷蔵ショーケースの中からお借りして、栓抜きも拝借して自分で抜栓。
気楽で良い。

おばあはんは、あまり身体の自由が効かないようで、だからあれこれお構いできずにゴメンねと言うが構われ過ぎないのが俺は好きだからノープロブレムよ。

酒のアテは、まだいろいろ準備が完了していなくて、豚汁はどうかとオススメされた。
うん豚汁は嫌いじゃないけど、汁物をアテに酒を飲むってのは得意じゃないなぁ。
汁は要らないから具だけくれますかと訊くと、応じてくれた。

自由亭

一見、大衆酒場で出てくる煮込みのようだが、汁なし豚汁です。
根菜がゴロゴロして、まぁ肉は少なかったんだけど、なかなかキチンと酒のアテになった。
こういうアテにはポン酒だね。

自由亭

酒瓶とコップを目の前に用意してくれた。
自分で好きなように注いで飲めということ。
やや遠慮してコップ摺り切りに注ぐと、もっと受け皿に溢れるほど注げと。

おばあはんは話し好きのようで、世間話などしながら飲んだ。
このあと友人と約束があったので軽く飲むだけのつもりで立ち寄ったが、ポン酒を3杯いってしまった。

至れり尽くせりのサービスはないが、むしろそういう店が俺は気兼ねなく飲めて好きだ。
この店は初見で外観に惹かれたが、中も同様に古びて鄙びた風情があっていいね。
これから月に一度は立ち寄りたいと思ったよ。


↓「食べログ」での店舗情報

自由亭居酒屋 / 祇園駅呉服町駅中洲川端駅