手頃なカフェがない。
映画館のあるフロアの『くうてん』には望むような店はないし、アミュの低層階にはカフェが何軒かあるけど何処もコジャレていて禁煙のように思える。
禁煙のカフェなど意味がない。
ちょっと離れた場所だが、バスセンター近くの「イタリアントマトカフェジュニア 博多駅地下街店」を利用してみようと思った。
この店は、以前から存在を認識しているが、ずっと敬遠していた店ではある。
何故かっつーと、どうにも“イタトマ”というのはキラキラして眩しいという思い込みがあるのだ。
いや今はそうじゃないんだろうけど、80年代は“イタトマ”というのは憧れのオシャレなナウいトレンディスポットという側面があって、そういうキラキラしたのが若い頃から苦手な俺は、当時からずっと敬遠してるのよ。
しかし、バブル期の幻影のようなものを頭の隅から追い出す努力をして目の前の店舗を努めて客観的に眺めると、そうキラキラはしていないんだよね。
むしろ、あんまり繁盛してないようでもある。
しかもどうやら喫煙席があるようなので、利用してみようと思ったわけです。
カウンターには列などなく、すぐに注文できた。
コーヒーと、なにか腹に入れておきたいと思ってピザパンというものを注文した。
ピザパン、って懐かしいな。
今のようにピザ(というかピッツア)が日常的になる以前の昭和の頃、ピザパンと呼ばれるものが馴染み深かった。
それは、丸く平たいパンにピザっぽい具材を乗せてマヨネーズかけてオーブンで焼いた的な、惣菜パンに分類される種類のものだった。
本格的なピッツアはまだ一般的ではなく、その代替品としてピザパンという位置付けだったと言えるが、手軽で好きだったなぁ。
コーヒーだけを受け取って喫煙席へ。
店の奥が喫煙となっているが、禁煙のスペースと空間的に仕切られてはいないので、これはタバコの煙が苦手な人には不十分な分煙だなぁと、重度喫煙者の俺でさえ思った。
が、そういうことは気にしなさそうだなと思える客層だったな。
キラキラした人たちはいなくて、むしろ、くすんでるオッサンオバハンが多い印象だった。
“イタトマ”とは、もはや昭和を引きずる世代が利用する店になっているのかしら、なんて思った。
ピザパンは、思ったより提供に時間がかかった。
出来合いの惣菜パンを温めて出すだけだろ、と思ったが。
立派にピッツアっぽいものが提供された。
できたてフカフカ。
昭和惣菜パンのノスタルジーを期待してはいたが、いや美味しくいただきました。
俺だって、いつまでも昭和を引きずってはいられねぇ。
そんなこんなで、俺の勝手な思い込みに反してキラキラしてなかったんだけど、むしろ居心地は良かった。
↓「食べログ」での店舗情報
イタリアントマトカフェジュニア 博多駅地下街店 (カフェ / 博多駅、祇園駅)