十三で映画を観たあと、酒を飲もうと。
映画館「第七藝術劇場」および「シアターセブン」が入居するビルのある通りは、キャバクラや性風俗店が密集する通りでもあるが、寿司屋がえらく多い通りでもある。
昭和っぽい庶民的な外見の「丸三寿司」に惹かれた。
なんかこう、垢抜けない外観なのだが、そこに魅力を感じた。
それに、店頭でキリンビールの存在が示唆されているじゃないか。
大阪の飲食店はアサヒしか置いてないところが多いなと感じていて、それに辟易している。
キリンやサッポロのビールが飲めると判る店は、それだけで店を選ぶ際の優先順位が上がる。
それに、どうやら庶民価格のようだ。
店先に貼られた品書きを見ると、細巻が250円。
それだけで俺にとっては嬉しい判断材料だ、ここは安く食って飲めると思えた。
カウンターのみの店内、席に着くなりビールを注文。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
店内に貼られた品書きを見ると、アテになる一品がけっこう豊富のようだ。
ということは、飲める寿司屋だということだ。
ただ、品書きはカテゴライズされず雑然と並んでいるので、パッと見で一品なのか握りのネタなのか判りづらくはある……けど、値段でだいたい判断できると思う。
うざく、ほぼほぼ“う”。
たっぷりの鰻の蒲焼は、ビールから日本酒へのシフトに、とても良いブリッジになった。
およそ三分の一をビールのお供にして、あとは日本酒のアテにした。
日本酒は菊正宗350円。
うざく、日本酒で、もう幸せ。
くわえてタバコが喫える店だから、ゆったり腰を落ち着けて飲めるので有り難い。
品書きを見ると、とろサーモン、炙りサーモンレモン塩、炙りサーモンレモンマヨ、炙りサーモン親子マヨ、サーモン造りと、隠しようもないほどサーモン推しなのが見てとれたので、これはサーモン食っとかなきゃと思った。
炙りサーモンレモン塩をいただきました、ちょっと塩っ気が強かったが、うまかった。
あとは俺の、寿司屋でのいつものパターン。
鉄火巻とカッパ巻があればそれでいい、というやつ。
ただ、細巻が横に倒れて皿に盛られているのは、初めて見たかも。
あと、鉄火は中落ちみたいなやつだった。
でもぜんぜん問題はない。
あた、この店は大将ひとりで切り盛りしていて、その大将は営業トークをするタイプでは全然ない。
常連客とはコミュニケーションもあるが、一見の俺に話しかけたりということはない。
それも、ぜんぜん問題ない。
うまいもんを安く出してくれれば、それが嬉しい。
余計な要素はいらない、寿司と酒を手頃な寝棚で出してくれればいい、そこが王道と感じたところ。
とはいえ、何度か通って、大将と少し会話するくらいになってみたいと思わせる。
そういう魅力のある庶民寿司屋だな。
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