エゴサーチ的なことを、俺もやっちゃうんだよね。
このブログのタイトル「タベノミー」で検索、ではなくて、たとえば“熊本 昼 酒”みたいなキーワードでググってタベノミーがヒットするかっていう確認行為をね。
そういうことをしていて、思わぬ情報を拾うことがあるんだよ、そんな店があるのか!? みたいな。
そうして断片的な情報を拾ったのが、この店「酒場 よし」。
拾った情報は、外観の画像と、昼間から開いてること、客層はシニア世代ってなこと。
外観にとても惹かれて行ってみたいと思ったが、所在情報が一切なかったから、偶然でもなきゃ辿り着けないだろと思っていた。
が、熊本駅近辺を飲み屋を求めてウロウロしてたら、出会った。
駅からすごく近い、こういうロケーションだ。
画像でわかるかな? 熊本駅在来線側を出て左へ、路面電車の通る道沿いに少し歩いた辺りだ。
ニューオータニを過ぎて、代ゼミだったかを過ぎて、ほんの少し。
大きな通りからは、小さな赤提灯が目印となる。
古い民家のような建物だが、暖簾と看板があるから店だとわかる。
引き戸を開けると家の玄関みたいで、靴を脱いであがる。
カウンターは5人くらい座れるかな、その他のスペースは小上がりっていうか、居間みたいな感じ。
ホワイトボードにメニューが書いてあって、まぁ種類は多くはない。
板わさがあったので、ポン酒を注文した。
この、コップ酒ってのが、場末の酒場って風情でいいね。
板わさは、思いのほか立派だった。
良い蒲鉾を、贅沢に使ってるなーって感じだよね。
また別の日には、ホワイトボードに焼き鯖があったので注文。
まずポン酒を出してもらうと、オマケに煎餅がついてきた。
鯖が焼けるのに少し時間がかかり、のんびりポン酒を飲みながら待つ。
常連のオッチャンに話しかけられたりしながら。
広くないカウンターだから隣との距離が近い。
初めて訪れたときも、やはり常連のオッチャンに話しかけられたが、俺があまり会話に乗り気でない様子を見せると店のママさんが会話を拾ってくれた。
ママさんは、オバチャンと言い切ってしまうには微妙な年齢で気さくな女性だ。
そして客に構い過ぎることもなく、ぼんやり店内のテレビ放送を眺める余裕もあった。
鯖が焼けた。
ちょっと骨の多い身だったけど、いい感じに焼けていてポン酒がすすんだね。
猪肉、鹿刺しを出す日もあったな、狩猟免許を所持している常連の持ち込みのようだった。
また、大きな川蟹を大量に茹でていたこともあった。
ここの食べもの、侮れないのかもしれない。
レギュラーメニューっぽいのは、ちゃんぽん、焼きそばとハラが満ちるものもあるし、ハムステーキなんかも。
いっぽう、アルコールメニューは豊富ではないようだ。
カラオケが設置されていて、常連が歌うところに遭遇したこともあったが、ボリュームが抑えられているので苦痛ではない。
つーか、カラオケがレーザーディスクなんだよ。
2015年にレーザーディスクが現存し稼働しているとは、と衝撃を受けたわ。
映像と音声は、劣化していた(笑)。
何時からかは確認してないが昼間っから開いてて、木曜日は休み。
この店には不釣り合いな萌えイラストで看板娘が紹介されているが、そう、看板娘が存在します。
客層は常連ばかりのようだが、一見客に疎外感を与える空気ではないよ。
店の建物自体はかなり古いが、今のママさんが何十年もやってるわけではないそうだ。
周囲の風景から浮いている感のある店舗だが、熊本駅周辺はどうせショボいんだから、変な開発計画でこの店を立ち退かせたりしないように望む。
<2015年4月3日追記>
久しぶりに寄ろうかと思って店の前まで行ったら、閉まってた……。
看板は残っているが、店先に植木が置いてあったところは壊されているし、エアコンのダクトも撤去されてる。
水道局のお知らせも挟まってたし、これは退去したってことだよな。
残念……。