知らなかったが、なるほど二毛作なのか。
青いテントに、素っ気なく屋号が書かれて、サッシ引き戸の入り口から窺えるカウンター席の様子。
通りすがる度に、ははぁ俺が好きな“飲める食堂”に違いないんだろうなぁ、と思っていた。
それが「食事処 ひろや」なんだが、行ってみたら「裏HIROYA」だった。
よく事情が飲み込めないまま店に入ると、店内は正しく昔ながらの大衆食堂……いや大衆食堂よりの造作だった。
いい感じに古びていて、色褪せていて、俺の好みの空間だ。
が、妙に客層が若いし、女性単独客の姿もあった。
まぁ、こういうのテレビとかの影響で、ブームなのよねと気にしないでおくことにした。
まずビール……なんてこった、瓶ビールがない。
消極的選択での生ビールを飲みつつ、じゃあ酒は他になにがあるかと黒板メニューを眺めてみれば。
なんか、洒落た食いものばかり書かれている。
これでは、お洒落バルではないか、というメニュー構成。
えっ、思ってたのと違う。
カウンター内の若い女性スタッフに、今日のおすすめメニューを案内された。
実は、思ってたのと違ったからビールを飲み干して撤収しようと考えてたんだが、若い女性の言葉には抗えない。
カツオのカルパッチョをお願いした。
あわせて白ワインをグラスで。
この辺で、店に入る前に撮っていた店先の写真を再確認してみた。
緋色の暖簾と、置き看板に「裏HIROYA」って書いてあるじゃないの、ちゃんと。
そしてネットで検索すると、二毛作なんだね。
深夜から午前中までと、昼下がりから夜までと。
俺が立ち寄ったのは、昼のイタリアンで飲める業態だったわけだ。
じゃあ、そういうことで、と納得。
カルパッチョを食い、ワインを2杯。
ワインをおかわりしたのは、1杯目を注文したときのなみなみと注ぐ気前の良さが気持ちよかったからというのもある。
それもあるが、なによりタバコが喫えたから、ちょっと腰を落ち着けて飲もうかと思ったのが、大きい。
カウンター上のトマト缶、大きいのはカトラリー入れだったが、小さいトマト缶は灰皿だったのだ。
お洒落なバルである以上は禁煙に違いないと観念していたので、喫煙可なのは想定外で嬉しかった。
あとはまぁ、たまには洋風な飲みっていうのも、良いものだよね、と。
この店に最初に立ち寄ったのは2022年05月30日
↓「食べログ」での店舗情報
裏ヒロヤ (イタリアン / 天満駅、扇町駅、天神橋筋六丁目駅)