田舎町の居酒屋という鄙びた佇まいで、店先に植えられた草花は手入れが行き届いているように見受けられる。
以前から存在は知っていたが、立ち寄る機会はなかった。
この日、16時台に店の前を通りかかると、店先に営業中の札が掛かっているように見えた。
だが、提灯にも看板にも灯ははいってないんだよなぁ暖簾は出ているが……札は手違いで“まだ開けてない”と無下に断られる予感を抱きつつ、暖簾をくぐった。
営業してたよ、一人で店を切り盛りしているらしい様子の、身なりのキチンとした女将が迎えてくれた。
さて、看板には食事メニューから酒のアテまでなんでもある的な大衆食堂のような表記があるが、店内はなんだか上品な雰囲気の、大衆食堂ではなく居酒屋だなという様子だ。
入って左手のカウンター席にはきちんと盆とおてもとがセットされてるしね。
右手には小上がりもある。
さらに、生け簀もあるんだなこれがまた。
えっと、かわはぎ、ふぐ、しまあじってところか? けっこう高めの魚が泳いでらっしゃるような。
こりゃちょっと、大衆的な飲み屋って感じじゃあないね。
ちなみに店先には猫がいたんだが、営業はしてくれない様子。
まずはビールだ。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
続いて、お通しがでてきた。
これがなかなか渋い。
ひじきと山菜。
鄙びているが、じわっとポン酒をいくには良いね。
ただこの日は蒸し暑くって冷たいアテが欲しかったから、冷奴を注文した。
スーパーで買ったんじゃなく寄せ豆腐よと、女将が。
うむ、見るからに美味しそうだし、ポン酒に合いそうだな。
と、ここで冷奴にかかった鰹節に反応したのか、店先の猫が接近してきた。
でも鰹節はやらないよ、薬味とか混ざってると猫の内臓に悪いからな。
基本的に人間が食うものは猫にやらないほうが良いと思っている。
そして、この猫は野良なんだそうで女将が追い出していた。
といって、女将は虐待してるわけじゃなく店の外にちゃんとカリカリを用意してやってるとのこと。
そんなこんなで猫を眺めたり生け簀の魚を眺めたりしつつ、飲んだ。
ポン酒も飲んだよ、酒器が涼しげで良いね。
ちょっと喉を湿らすつもりで寄っただけなんで、刺身とかは食わなかったが、美味しいだろうな。
夜の忙しい時間に備えての大皿料理も並び始めていて、それにも惹かれたが、早めに会計をお願いした。
するとデザートにスイカがでてきたよ、今季初だよ、つーかまだ4月なのに早いね。
会計は2,000円とちょっとで、まぁ俺が好きな大衆酒場の値段ではないが。
きちんとした居酒屋だとこんなものだよねと普通に納得できるわな。
いちおう開けるのは16時と女将は言ってたが、仕込みの都合では少し遅くなることもあるかもね。
公式には17時開店と思っておいたほうがいいのかも。
明け方までやっているとのことで、今度はそういう時間帯に行く機会があると面白いかもしれない。
↓「食べログ」での店舗情報
味の小屋 (居酒屋 / 新水前寺駅前駅、新水前寺駅、国府駅)