いわゆる観光には興味がないってわけだ。
強いて言えば「千とせ」に肉吸い食いに行ったのは観光的なものであったし、ここ「New World」に行ったのも観光的なミーハーな気持ちからではある。
ジャンジャン横丁に昔からある喫茶店。
屋号を訳すと新世界となるが、場所は新世界ではない。
昔からある町の喫茶店って、くたびれたオバサンがやってて地元常連のオッサンがスポーツ新聞を眺めながら何時間も居座っているような店も少なくないイメージではある。
が、ここは、ある種の格調を感じる正統喫茶店だな。
狭いがキチンとした店だ。
ブレンドコーヒー380円也を注文すると、添えられたスプーンに角砂糖が二つ乗っていた。
なんか懐かしいなぁ、角砂糖。
小さなミルクポットも、懐かしいなぁ。
まずはそのまま、ブラックで飲んでみると、美味しい。
昭和だなぁって雰囲気だから、失礼ながらコーヒーはあんまり期待してなかったのだ。
昔の喫茶店のコーヒーって薄くてシャバシャバしてたものだが、ここのコーヒーは意外といっては失礼かもだが、ちゃんと焙煎していると感じる深みのあるしっかりとしたコーヒーだ。
コーヒーは基本ブラックでしか飲まないんだけど、スプーンの上の角砂糖ってものを久しぶりに見たのでノスタルジーに駆られて、入れてみた。
どうせならと、ミルクも入れてみた。
うまい。
甘く、柔らかくなりながらも、もとのコーヒーがしっかりしているから、美味しい。
前日の酒が残っていながらも既に2軒のハシゴ酒をしているという酷使された身体は糖分が欠乏していたからかもしれないし、ノスタルジー補正もあるのかもしれないが、甘いコーヒーが美味しかった。
さて、ミーハーな気持ちから行ったのだと始めのほうで書いたが。
大阪出身の知り合いの人に教えてもらってたんだが、伝説のパンクバンドで世に出て石井聰亙や山本政志の映画に出演したのち作家となった、あの人物が若き日にバイトをしていた店なんだそうで。
マスターに確認してみたら、そうです、と。
おおー、と内心ちょっと歓喜して俺のミーハー心が満たされたのであったよ。
↓「食べログ」での店舗情報
ニューワールド (喫茶店 / 新今宮駅前駅、動物園前駅、新今宮駅)