控えめに言ってめっちゃ好き「鉄板焼 多紀」大阪府松原市高見の里4丁目2


あるきっかけで近鉄南大阪線河内松原駅に行ってみたが、そんなに楽しい場所ではなかった。
昼下がりから飲めるような店が見つからなかったからだ。
それで、失意のうちにとぼとぼと歩いていたら、いつの間にか高見ノ里駅の辺りまで来ていた。
そこで予期せず、エモい光景に出会した。









駅の、ひとつしかない改札のすぐそば、線路脇に、1軒の店。
暮れた空をバックに電車が走り、踏切手前に帰路についているであろう人たち、提灯と電飾看板。
この画は、どストレートに俺に刺さって、エモみの塊だった。
しかし、これはタイクアウト専門のたこ焼き屋さんだろうか、それだと、飲めない。









そう思ったが、どうやらイートインのためのスペースもあるようだった。
店は、とても小規模な“高見横丁”というミニ飲み屋街に属しているんだな。
なんともいえないキャッチ、“ミナミの感じと味の……”というのが、たまらない。



サッシ戸の向こうから、酔客の声が漏れ聞こえていて、ああ飲めるんだな、と。
たこ焼きを食うための席があるだけでないんだ、酒を出してくれるんだな、と。
よし、それだけ判れば十分だ。









ガラガラと引き戸を開けて店内へ、女将さんが迎えてくれて、ご主人は店頭の鉄板担当みたい。
先客は常連に違いないであろう、ご近所さんであろう青年。
既に別の店で瓶ビールは飲んでいたから、日本酒を冷やでお願いした。



たこ焼き、焼きそばぐらいしかないのかな、と酒のアテになりそうなものへの期待値は低かった。
ところが、豊富なラインナップで、居酒屋のようだった。
飲める店じゃん、腰を落ち着けてゆっくりと。
アテがいろいろあって灰皿もあるからねぇ。









しかしまぁ鉄板で焼くものを注文するのがリスペクトかなって気がして、玉子焼きをお願いした。
これ200円なんだよね、まぁ小振りではあるけれども、安くて嬉しい。
うん、おでんも安いんだな。









既に、次に来たとき何を頼もうかなぁと内心わくわく気分になっていた。
このときは、コンディション的にさほど食欲がなかったのだ。
トマ酎400円也を2杯飲んで、おいとま。
ふむ、この店は「鉄板焼 多紀」っていうんだな、と帰り際に確認した。









翌々日に再訪、今回はまだ陽のある16時台に。
昼からでも飲めるのかしらというのは不安もあったが、ご主人が迎えてくれた。
ノーゲストだったので、昼から飲みにくる客はあまり多くないのかも。









瓶ビールは、残念、キリンもサッポロもなかった。
たこ焼き5個120円なんだよ、安いね。
いやごめん、日常的にたこ焼きを食わないので、安いのか普通なのか判んない。
でも酒のアテとしてつまむには、手軽で安く感じた。









そしてやっぱり鉄板で焼くものをと、とん平焼き。
あー、たこ焼きとかとん平焼きのお供としてなら、スーパードライでも許せるなぁ。
ほどなく、女将さんも登場、そろそろ飲みに来るお客さんも現れる時間帯か。









前回、豚角煮(おでん)が気になっていて、次はそれをと考えていた。
注文したよ、ついでに豆腐(おでん)も、おでんの豆腐って好きなんだよな湯豆腐よりも。
豚角煮(おでん)、めちゃうまい、ほろっととろっと、味噌も合う。
これは日本酒にとても良い。
もう“次は豚角煮(おでん)を2つ頼もう”と考えていた、それほど気に入った。









そして前回、カレーライスも気になっていた。
たこ焼き屋さんに、なんでカレーライスあるよって。
いやもう、他にラーメン、ざるそば、親子丼とかもあるんで、もはや何があってもアリなんだろうけど。
でも特にカレーライスが“なんで?”度が高かったので、気になったの。
で、注文したんだけどねカレーライス、これは思ってたものと違ったわ。
なんか喫茶店の美味しいカレーって感じ、もっと家庭のカレーみたいなのを勝手に期待してた。



帰り際、まだ空は明るかった。
陽が長くなったな、季節は巡るなぁ時は流れるなぁ、で、河内天美駅最寄りの現場も終わってしまった。
だからもう、この店に寄る機会は、とりあえず無くなってしまった。
でもね、わざわざ行きたい。
そして豚角煮(おでん)を2つ注文したい。
そのくらい、めっちゃ好きになった(豚角煮(おでん)も店も)。



この店に最初に立ち寄ったのは2023年03月13日
「鉄板焼 多紀」大阪府松原市高見の里4丁目2・高見ノ里駅出てすぐ左の線路脇