久留米に酒を飲みに行こうと思うなら、西鉄を利用してアクセスしたほうが、すぐに酒が飲める。
駅構内に午前中から開いてる立ち飲みの「大喜」もあるしね。
西鉄久留米駅を出て、にぎやかそうな方へ進まず駅建物の壁に沿うように左手の路地を入って行くと、酒屋がやってる角打ちが2軒並んである。
どちらも経営は同じだ。
右側は10:30から開いてる「森川酒店」。
間口は狭く、入り口はちょっと奥まっているが、いかにも酒屋の角打ちといった風情の紺地に白で屋号が抜かれた暖簾が良いよねぇ。
その暖簾のせいで店内の様子が伺えずに入ってみるのを躊躇するかもしれないが、気にせず入ろう。
奥にむかって細くて長い店舗で、右手にカウンターでどん詰まりに厨房、左手もゴチャゴチャと物が置かれているが混雑時にはなんとか立ち飲めそうなスペースはある。
週末の19時ちょい前、店内は混むというほどではないが、それなりに客がいた。
みんなテレビの野球中継を熱心に観戦しながら、思い思いに飲み食いしている。
奥にいくほど常連度が高いようで、ヒゲ面でニットキャップの若い大将……酒屋の跡継ぎなのかな雇われた店員なのかな……まぁオニーサンって感じのスタッフと談笑もしている。
酒屋の店舗で角打ち、というよりは酒販店がやってる立ち飲み屋ってことになるかな。
ビールなどを陳列販売する冷蔵ショーケースは見当たらず、アテは調理されたものがいろいろある様子。
さて見知らぬ一見客である俺は、入り口に近いカウンターに立ち位置を確保。
さて何を飲もうかと、考える間もなくウイスキーがやたら充実しているのが目にとまった。
角打ちにしろ立ち飲みにしろ、あんまりウイスキーを飲む客は多くないと思うから、ちょっと驚いた。
ハイボールのために置いてあるってんじゃないよねこれは、モルトなんかもあるしねぇ。
まぁ俺はウイスキーが好きだから有り難いぜ、よしフェイマスをもらうぜ、炭酸で割ってね。
アテはどうしようか。
九州でいうところの天ぷら(すなわち練りもの)や、調理された惣菜も並んでいて、常連はそれらをセルフでレンチンしてアテにしている。
そのためのレンジが用意されているのだ。
それも楽しそうだが、カウンターの隅で箱のなかに雑に放り込んである魚肉ソーセージに惹かれた。
業務用っぽい無愛想なパッケージの魚肉ソーセージ、こういうのが美味しそうに見えるのよね。
マルハとかニッスイとかじゃなく、千代田食品株式会社ってとこの商品。
ググったら公式サイトがあったんだけど、すごくこのレトロっていうか……ああデザインをリニュアルしてあげたい。
店内には川上音二郎一座の芝居絵が飾ってあったり、なんだかわからん書が飾ってあったり。
雑然として古びていて、好きな感じだわ。
雑然としているから気づかなかったが、入り口のサッシ戸の脇に冷蔵ショーケースが埋もれるようにあって、そこからベビーチーズを一個だけもらった。
一個売りっていいね。
フェイマスの炭酸割りをもう一杯、いやブラックグラウスのほうにしたわ、せっかく2本並んでたから。
ニットキャップのオニーサンにウイスキーがやたら多いことを訊くと、常連の要望でいつの間にか増えていったそうで。
そんなにウイスキー好きが集まる立ち飲みなのかと、なんだか感心した。
なかなか良い、駅前立ち飲み酒場だねぇ。
いい感じに、うらぶれた風情もあり、活気もあるよ。
ウイスキーが充実してるのも面白くて、好きだなこの店。
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↓「食べログ」での店舗情報
森川酒店 (立ち飲み居酒屋・バー / 西鉄久留米駅、花畑駅、櫛原駅)