涼みたいなと、喫茶店を求めて。
この日は未明にハンパない豪雨で、朝には小降りになり、もう止んだかなというタイミングで飲みに出た。
そしてハシゴ酒2軒目を出ると、晴天どころではない炎天下直射日光地獄だった。
涼しいつもりでいたら予想外の真夏日という精神的ダメージと、既に2軒分の酒がはいった身体には厳し過ぎる日差しで脱水症状と熱射病が懸念され、緊急避難のため休憩が必要だと思われた。
そんなわけで涼しくて憩える店に入ろうと思ったが、安くて手軽なベローチェやドトールは見当たらず。
じゃあ喫茶店に入ろう、せっかく萩之茶屋だし味のある個人経営の喫茶店にしよう、そう思ったら。
ぶどうトースト、という看板に興味をひかれた。
それはどういうものなのか、ぶどうジャムと生クリームがのってるのか、もしかして葡萄の実をふんだんに使って見た目はチェリーパイのようなものだろうか。
ひとしきり想像して、店に入ることにした。
「ジョルジオ」という喫茶店。
テントに屋号が書いてあるが、その表記が気になった。
なぜ、“ジョル”と“ジオ”の間に全角スペースがあるのか。
“喫”と“茶”の間にもスペースがあるが、それは判る、分解しても漢字一文字ごとに意味があるから。
英語でもイタリア語でも、2つの単語に分解できるなら全角スペースをいれても納得できる。
たとえば“アルデンテ”は“アル”と“デンテ”に分解できるよね。
しかしジョルジオはどうなんだ、分解できないんじゃないのか。
そんなことを考えながらドアを開けると、店内は涼しくなかった。
じんわり、暑かった。
ぶどうトーストのことを店主に訊くと、レーズンパン的な食パンのトーストだとのこと。
ふむ……興味を失った。
よし、とにかく冷たい飲み物をとアイスコーヒーを注文。
出てきてすぐ飲み干したのでアイスコーヒーの写真はナシよ。
写真なんぞ撮ってる余裕がないほど、冷たい飲み物を欲していたんだよ。
冷房が稼働してない喫茶店に入ってしまって、心の余裕を失ってたんだよ。
なんだか家庭のリビングみたいなインテリアの店で、他に客もなく、人の家にお邪魔してる気分になった。
だから遠慮してしまい、ちょっと暑いので冷房を、なんて言えなかったんだ。
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