横浜市交通局ブルーライン(市営地下鉄ですな)の駅に「阪東橋」というのがあって、その界隈には角打ちできる酒屋が何軒かあるということで機会があれば行ってみたいと思っていたのだ。
機会は来た。
目的の酒屋が集まっているのは駅チカではなく、駅の東南歩いてちょっとな辺り。
その辺りに行く道すがら、商店街を通ってみた。
「横浜橋通商店街」っていうんだね。
ガヤガヤと楽しい、そう規模は大きくないのも濃縮されてる感じがする良い感じの商店街だねぇ。
庶民的で、またチャイニーズやコリアンな店もちらほら目立つ、コンテンツてんこ盛りって様相もあるね。
商店街を通り抜け、頭上に都市高速が走る広い道路を渡って、少し入り組んだ住宅地の中に目的の酒屋を見つけた。
「田原屋酒店」。
なんだか懐かしさを感じてしまう佇まいだ、と思いつつ同時に、この外観では角打ちできるのかどうか判んないなぁとも思った。
もっとも、ネットで事前に情報を拾ってはいるんだ、角打ちできるって。
とはいえネットには古くて更新されないままの情報というのも溢れていて、とくにタイムスタンプのないテキストには信頼性を疑っておくべきものも少なくない。
というようなことを、店の前まで来ておいて考え込んでも意味がないので、ずんずんと店先へ近づくのだ。
店先の台の上に、いきなり灰皿が置いてあって重度喫煙者の俺に嬉しい。
だが待て、外に灰皿が設置されてるってことは店内は禁煙ってことだろう、それはそれとして店内を覗き込んでみても角打ちカウンターのようなものは見当たらないんだが。
と、覗き込んで逡巡していても意味がないので、ずかずか店内へ入るのだ。
オッチャン店主がいて、ここで飲めるかと訊くと、あっちで、と。
そう言ったオッチャン店主が指差すほうを見ると、ああ角打ちコーナーがあるじゃん。
店に入って右手は小売りスペース、左手が角打ちコーナーってわけだ。
それらは仕切られているので、いったん外に出て、最初は気づかなかった角打ちコーナーへの入り口から入りなおす。
飲み屋のカウンターは、だいたい厨房とか店主の側が囲まれる形になっているよね。
でも、ここは逆で、客がカウンターに囲まれているような感じ。
まぁ、古い大衆酒場や立ち飲み屋ではたまにあるよね、逆コの字形のカウンターってやつね。
ここは囲まれてる空間が狭くて、なんだか飲んだくれが隔離されてると想像してみると面白い。
さて角打ちコーナーと小売りスペースは仕切られているので、客が自分で酒やアテを手に取ることはできない。
オッチャン店主にビールを注文した。
黒ラベルの350ml缶。
黒ラベルもいいよねぇ。
オッチャン店主は話し好きで、先客の地元オッチャン客も交えて、たまたまこの日に開催されてた福岡マラソンの話しなんかをしつつビールを飲んだ。
俺はスポーツ全般にぜんぜん興味がないんだけど、マラソンのコースになってる街のことなど話す。
古くから地元に根付いてる酒屋って感じで、それでいて一見の他所者である俺にも敷居が低かった。
こういう、町場の気取らない酒屋での角打ちってのは、やっぱいいもんだ。
こういう酒屋が横浜にもあるんあだなぁと知れて、横浜へ足を運んだことが報われて嬉しいって感じた。
↓「食べログ」での店舗情報
田原屋酒店 (その他 / 阪東橋駅、伊勢佐木長者町駅、黄金町駅)