市営地下鉄の阪東橋という駅の辺りに角打ちできる酒屋があるという情報をもとに、昼前から徘徊していた。
角打ちが楽しめる酒屋は阪東橋駅の東南、歩いてちょっとの辺りに集まっている印象。
駅から東へ行くと「横浜橋通商店街」という楽しく生活感のあるアーケード街があり、そこを通り抜けてからが酒屋地帯という感じだね。
アーケードを抜けて大きな通りを渡ると、軒が大きく張り出して連なる商店の並びがある。
その中に「浅見本店」という店があった。
あー、いい感じに昭和な風情で、にぎやかにゴチャゴチャした店先。
あ、店内からはみ出すように立って飲んでる人が見える。
だいぶ古くから営業している、角打ちできる酒屋だという情報を拾っていた。
事前情報がなくても、ああ飲めるんだなと一目瞭然な感じもあった。
俺が立ち寄ったときには、もう既に何人もの客で賑わっていた。
日曜の正午過ぎ、お休みの日の昼メシ時って時間帯なわけだが、酒屋で立ち飲みしてる人が何人もいるということだ。
そういうの素敵じゃない。
俺もポン酒を一杯。
銘柄は忘れたが、三重県の、二級酒だ。
二級酒、というクラス分けが今でも品書きに残っているのが楽しいな。
二級酒一杯230円。
一級だと10円高い。
角打ちコーナーは逆コの字カウンターで、一辺は小売りスペースとの仕切りになり店主が酒やアテを供する空間で、他の二辺は壁を向いている。
壁を向いた辺には品書きの短冊がいっぱい。
とても几帳面に分量と金額が明記されていて、明朗会計な感じだなぁ。
歴史を感じさせる写真なんかも貼ってあり、昔からの酒屋で角打ちしてるって気分も楽しい。
この日に開催だった福岡マラソンの中継が店内のテレビで流れていて、常連客たちはそれを眺めながら即席マラソンコメンテーターと化していた。
俺はマラソンより、店内の様子を眺めているほうが楽しい。
いやぁ、これぞ角打ち、という楽しさがある。
角打ちエリアが広くて、ちょっともう酒立ち飲み屋という様相を呈してもいるが、小売りもやってる酒屋であることは間違いないので正しく酒屋で角打ちなのだ。
なんかもう貫禄さえ感じる空気が店にはあって、でも客は日常の様子で楽しく酒を飲んでいて、ああ良いなぁ。
ここに来れただけで、もう横浜まで足を伸ばした甲斐があったという気持ちになったよ。
横浜、楽しいなぁ。
浅見本店 (立ち飲み居酒屋・バー / 阪東橋駅、伊勢佐木長者町駅、黄金町駅)