そしてその点でも福岡市より北九州市のほうが豊かな大地だと思える。
そんなわけで、小倉へ行く機会があったら立ち寄りたいと思っていた食堂へ。
事前にネットで情報を拾ってGoogleMapsでも所在地点をマークしていた。
が、あれ? どこだろう辿り着けない。
目的の店が入るビルは、なんだか工事をしていたんだな。
とにかく工事中で養生してあると“ここは違うな”と無意識にスルーしてしまうんだな。
しかし、お店の人は真面目だなぁと思ったのだが、しっかりノボリが出ていたし手書きの案内が足場に括り付けてあった……じゃあ気づけよ俺と思ったが。
立ち寄りたいと思っていたのは「玉川食堂」という店だ。
外観がソソる。
古いビルの地下飲食店街にある、昔からやってる食堂の風情だな。
入居しているビルが外観だけか知らんけど改装されているこの刹那においても、そんなこと知るかという風格のある店先の造作である。
店先にはメニューのサンプルが掲示されているのも、俺の好みだ。
その一方、サンプルケースの中にはキッチュなイラストが飾られていた。
そのミスマッチ感も面白いが、書いてある内容が俺には素晴らしい。
謂く“定食のご飯は小鉢に変えられマス”というのだ。
これは、酒飲みにとって嬉しいことだ。
だって酒を飲むのに炭水化物は要らないからね。
喜んで店にはいった俺が注文したのは、ぬかさば定食だ。
もちろんゴハンは小鉢にコンバートしてもらって、選んだのは“やきみそ”と“大根おろし”だ。
そうなるとポン酒を飲まねばならない。
そしてメインの、さばだ。
やはり小倉に来たなら、鯖のぬか炊き食べたいよね。
そんなこんなで、もうこれはずっと酒が飲めるなという布陣が卓上に顕現した。
「玉川食堂」、すごい飲める食堂だな。
もっとも、この店はまっとうに食堂として地元の人に愛されてるんだなと感じた。
どんどんメシを食いに来る客が、ずっと絶えなかった。
みんなちゃんと、メシを食っていた様子。
メニュー豊富だし、ほっころする味で、それはメシ屋として人気だよねと思った。
ただ、それに加えてホスピタリティも多いに感じたので、そこも人気なんだと思ったな。
このとき建物に工事が入っていて、店がある地下のフロアはダンジョンの様相だった。
そのことがお客さんに申し訳ないと思ったんだろう、若い(推定)店主がトイレを借りたいという客を、フロアの共同トイレまでわざわざアテンドしてくれいていた。
俺も、その世話になった。
そういうのって、とてもいいよな。
とか言いつつ、俺はこの愛すべきメシ屋を“飲める食堂”と認識するんだけどね。
好きだな、この店。
またいつか工事が終わった頃に再訪したいな。
↓「食べログ」での店舗情報
玉川食堂 (定食・食堂 / 平和通駅、旦過駅、小倉駅)
夜総合点–