昭和の緩さを味わう喫茶店「カルチェ」大阪市天王寺区生玉前町


午前中の仕事を終えての昼メシどきに、生玉前町で小腹が満たせそうな店を探していた。
行きたい喫茶店があって、そこは下調べによると食事メニューが無いようなので、腹拵えをしたかった。









歩いていたら赤いテントが目立つ「喫茶&軽食 カルチェ」という店があった。
店先のメニューを見ると、カレーライスとか焼きめし、スパゲティーとか、安い。
喫茶店のスパゲティー、いいね、食おう。









店に入ると、フロアを担当しているらしい女性が穏やかに迎えてくれた。
さっそくスパゲティをお願いすると、よく通る声で厨房にオーダーを伝えてくれた。
すると厨房から即座に“スパゲティーやってないー”と男性の声での応答があった。
やってないんかーい。
次いで、焼きそば焼うどんはできるとの厨房からの追加情報が。
なるほど、麺類が食いたい客なのだろうと推測してくれたわけね。
が、スパゲティーという“洋”のものが食いたい気分になっていたので、“和”の麺類ではなくカレーライスを注文。









カレーライスは、特に言うべきことはないものだったが、だいたい喫茶店のカレーというのはそういうものよね。
取手がついて楕円形でグラタン皿みたいなシェイプがかわいい、ペーパーナプキンで巻かれたスプーンも良い。









BGMはアメリカン・オールディーズ、昔の田舎の喫茶店という風情がある。
灰皿完備で、雑誌や新聞がばさっと、昭和の喫茶店って感じ。
店内あちこちに造花が飾られ、触ってみたらそれは造花だった。
でも水滴が散らしてあってね、生花に見えるようにか細かし仕事ね。
それは、小細工ではなくウェルカムの気持ちの演出だと俺は受け止めたよ。



オーダーをとってくれた女性が、帰っていった。
どうやら、お店の人ではなかったっぽい。
なるほどそれで“今スパゲティーはやっていない”というのを把握してなかったわけか。
会計時に、お店をやっているのは、そこそこ高齢のご夫婦らしいと判った。
足とか腰とかアレかもしれんねと思えるから、常連さんか知り合いかの女性がお手伝いしてたっぽいな。
優しい世界。



正直、やってないメニューを書いたままって如何なものか、と思わんではなかった。
でもそんな気持ちは、店を後にする頃にはすっかり消えてて、むしろほっこりした。
緩く、ほんわかやってる喫茶店だなって思ったな。



この店に立ち寄ったのは2022年11月15日
↓「食べログ」での店舗情報
カルチェ喫茶店 / 四天王寺前夕陽ケ丘駅谷町九丁目駅大阪上本町駅