大正区の千島に行きたい用事があって、JR大正駅からてくてく20分ちょい歩いたよ。
せっかくそんなに歩くんだから途中で酒が飲める店に寄りたい(謎理論)よねと、事前に下調べしていたよ。
あざやかな青いテントと、味わいのある袖看板がいい感じの「立ち呑み処 きよしや」。
店の正面に立つと、2基の自販機に左右からガードされた鉄壁のサッシ戸は閉ざされ難攻不落の様相であった。
というのは俺の内面的な印象で、要するに入りにくそうな店だなぁって思わせる外観だってことね。
店内の様子は窺えないしメニューとか掲示されてないし、と入店を促してくれるような視覚的な情報に乏しい。
反面、まぁまぁのボリュームで常連諸氏が盛り上がっているのが聞こえて、これは一見客を躊躇わせるやつ。
でも、そういうのけっこう大丈夫なんですね俺は、ガラガラと引き戸を開けました。
まずビール、キリンラガー瓶があって嬉しい。
長辺がそこそこ奥まで長いL字カウンターに席を確保できたんだが、まぁ盛況だ平日の昼メシ時に。
カウンター内の壁に品書き短冊がべたべた貼ってあって、まぁまぁリーズナブル価格ね。
ちなみに立ち飲みではなく椅子完備となっている。
座った席の目の前カウンター内で、おでん、どて焼きが煮えていた。
どて焼きをいただいた、ビール飲んでるから、日本酒飲んでたら、おでんだけど。
なかなか肉々しい、食べ応えのある一品で、これが俺の昼メシとなった。
おにぎりがカウンター上に並んでたから、どて焼きといっしょに食ったら、ちゃんとしたメシになるね。
フロアのテーブル席周りの画像は、いつものように客が途切れるタイミングを待って撮ったものだ。
だいぶ待った、入店からおよそ2時間経って撮ったものだ。
ぜんぜんずっと混んでて、テーブルは何人もの御近所さんに違いない常連諸氏に囲まれていた。
テーブルは2台あるんだが、その両方が同じ状況で、かなり賑やかだった。
常連諸氏は、だいぶ年齢層が高かったが、皆さんまぁお元気でお達者で、ええこっちゃ。
さて“テーブル周りは入店からおよそ2時間経って撮った”と書いたが、それだけ長く居たということなんだ。
これは異例なことで、だいたい俺って1軒で長居することってほとんど無いのよ。
そもそも独り酒で、食欲旺盛でもないから、瓶ビールと何か2杯ぐらいとアテを2品ほどで、黙々と1時間前後。
それがこのときは、ここに3時間弱も居た。
何故かというのは、隣に座ってた二人組壮年男性に話しかけられ、なかなか話が終わらなかったからだ。
一人は鹿児島出身で、技術畑で勤め上げてこられた60台中盤の人。
もう一人は、前者より歳上で沖縄出身の、やはり技術畑で勤め上げてこられた人。
ちなみに二人は以前から付き合いがあったわけじゃなく、ここで知り合ったそうな。
お二方とも九州出身で、一人は沖縄というのが特に、大正区らしいと思った。
そしてどちらも技術系の仕事というのも大正区らしいだろう、確か昔は造船所がすごかったんだよね大正区。
お二方との会話は、もちろん不快だったら2時間ちょい付き合わないわけで、俺にも楽しかった。
仕事のことや酒場の楽しさとかって内容で、とっくにビールは飲み干していたからハイボールを飲みつつ。
でかいジョッキのハイボールは400円、こいつを5杯飲んだ。
途中で腹が減って、ポテト揚げ350円也を頼んだら、だいぶワイルドな見た目のフライドポテト。
じっくりと揚げられていて、ほくほくと美味しかった。
予期せず人生の先輩方との語らいの場となって、いきなりケイオスな展開だなと思ったが。
それはそれで面白かったし、また混沌を受容する店の懐の深さにも感心したよ。