第七藝術劇場（以下、ナナゲイ）で映画を観て、さてどこかで酒を飲もう。
そうだ、今までスルーしてたが、あそこに行ってみようかなぁ。
ナナゲイへ向かう途上で、必ず視界に入る店がある。
十三駅の西側に出てアーケード街を抜けて、大きな交差点で十三筋を渡る際に正面に見える「丸一屋」。
なかなか良い面構えで、昔ながらの酒場の佇まいだと感じながらも、何度もスルーしていた。
だってアサヒスーパードライなんだよ。
店頭の舌代にアサヒスーパードライ、アサヒ生ビールと記してあり、じゃあアサヒしかないのかと。
それでスルーしてたんだが、この日は店先にキリンのビールケースが置いてあることに気づいた。
実際、キリンラガー瓶があったので嬉しい。
なんだよキリンラガー瓶あるのかよ、それを先に言ってくれてりゃ今までスルーしなかったのに。
大瓶550円か、まぁそんなものだろう安くはないが、灰皿もあるじゃないか、いいじゃないか。
座った位置から黒板メニューが見えたが、他にもメニューがあって品数はそこそこあるようだった。
しかし、俺の座った席から変形コの字カウンターを越えた向こう側の壁に貼ってある品書は、遠い。
近視で乱視で老眼の俺には、めちゃくちゃ凝視しないと読めなかった。
でも対面にお客さんがいて、めちゃくちゃ凝視するとめちゃくちゃお客さんを睨んでると思われかねない。
黒板メニューからベーコンエッグを。
この洗練されてない感じがとても良いね、といったベーコンエッグで、こういうの好き。
割と居心地も良かったので、のんびりチューハイもいただいた。
かなり良い立地だと思うんだけど、ほぼ常連客だけって様子だったな。
でも疎外感はなく、さりとてフレンドリー接客もなく、いい感じの距離感だった。
キリンラガー瓶があると判っていたなら、もっと早く寄ったのにね。