十三にある、昭和っぽさを感じる外観の「とんかつ 大富士」。
いつかここでメシを食おうと思ってたんだけど、なかなか果たせずにいた。
店先にはメニューサンプルが陳列されたショーケースがあり、それもまた昭和の風情。
とんかつ、ビフカツ、エビフライ、チキンカツ、ポークチャップ、いろいろメニューがある。
だからトンカツ屋というより“町の洋食屋”という感じだね。
いろいろメニューはあるが、何を注文するかは事前に決まっていた。
トンヂクセリ定食、というものだ。
その不思議な響きの名称に惹かれて、いっぺん食ってみたいなと思ってたわけなのよ。
ビールを飲みながら、注文した品が提供されるのを待つ。
キリンラガー瓶があって嬉しい。
禁煙だが、酒場じゃなくてメシ屋だから長居しないので問題ない。
立ち寄ったのは12時台後半、もうランチのピークは過ぎてたのかな、そう混んではなかった。
店は、親子なのだろうか、高齢の男性と若め(といっても40台くらいかな)の男性とで切り盛りされていた。
待つことしばしで、トンヂクセリ定食が提供された。
ごはん、味噌汁、漬け物が付く。
メインのトンヂクセリは、銀色の皿に盛られて魅力的な見た目をしていた。
トンカツのようなパン粉を使ったコロモではなく、薄い黄金色のコロモ。
その黄金色は玉子の黄身由来なわけで、これはつまり、ポークピカタ的なものなのね。
トンヂクセリの“トン”は豚であり、“ヂクセリ”とはジクセルというピカタに似た料理の呼び名が転じたようだ。
知らなかったけど福井県敦賀市の「ヨーロッパ軒」の名物料理でジクセルというのがあるそうだ。
いつかその店に行ってみたい気もするが、福井県に行く機会ってなさそうな気もするな。
ちなみにこちら「とんかつ 大富士」には、“トン”だけじゃなくビフヂクセリもある。
さすが洋食屋という旨さのデミグラス、豚肉はやわらかかった。
ステンレスの銀の皿には店名が刻印(だよね)されていて老舗っぽさを感じた。
たいへん満足のいく食事となったが、欲を言えば定食じゃなく単品で注文できたら良かったな。
ビールとトンヂクセリだけのほうが、俺は楽しめるなぁ。
もしかしたら、お願いすれば単品で注文できたのかもしれないけど(訊けば良かったなぁ)。
もし次の機会があれば、ビフヂクセリを単品で、とお願いしてみようかなぁ。