福岡市総合図書館の映像ホール「シネラ」で映画を観る前に、腹ごしらえをしておきたかった。
目的地「シネラ」周辺は飲食店が乏しいので西新へ。
行きたいと思ってたメシ屋が商店街にある。
「あらたま」という店だ。
看板に“大衆食堂”とあるが、いわゆるそれではないな。
店舗は2階にあるが、目線を上げていたら店は見つけづらいだろうね。
地上の置き看板を目印に探すのがいいだろう。
看板の傍から狭くて暗い通路の奥へと進み、昭和の鉄筋アパートみたいな無味乾燥な階段を上がると店がある。
たどり着くまでの通路や階段の印象から一転して、元気なオバチャンの“いらっしゃいませ”の声に迎えられて店内へ入るとオープンに明るい。
白く塗装された壁や明るい色目の木材の感じと、大きく開口された窓からの陽の光。
近所の高校生なんだよねという男子たちが、仲良くキャッキャウフフしていて微笑ましい。
近隣にいくつか高校、大学があるロケーションだから、そりゃ高校生や大学生が多いよねと思うわけだが、思ったより普通の大人とか近所のオバチャンなんかも多いのね。
さてところで、俺はメシ屋であっても隙あらば酒を飲もうとするのだが、このときは映画を観る前だから純粋にメシを食う目的であった(酒が入ると映画の途中で寝ちゃうんだよ)。
そして、ただ単にメシを食うとき、だいたいカツ丼を選んじゃう。
この店は豊富なラインナップの定食や、丼が何種かとカレーとかナポリタンなんかもあって、価格帯は安い。
それだから何を食べようかと、あーでもないこーでもないと悩んでもおかしくないと思うが、だいたい俺はいつも短絡的にカツ丼という決定を早々に下してしまう(単純な人間だから)。
カツ丼、500円也。
味噌汁付きで、味噌汁はちゃんと美味しい。
お値打ちの500円だ。
まぁその、あまり繊細な仕事をされているという感じはないとは思うが、十分に美味しいカツ丼で、これが味噌汁付き500円って素晴らしいなと喜べるカツ丼だ。
ひっきりなしに客が来て、フロアを仕切るオバチャンは忙しそうだった。
オバチャンが厨房にオーダーを伝えるのを何気に聞いていると、オムライスが人気のようだったな。
ところで、この店は食券制だ。
だがそれが、あまり浸透してないようだった。
フロアのオバチャンが何度も、食券の購入を促していたから券売機に気づかず席に着こうとしちゃう客が多かったのだろう。
ゆっくりメニューを眺めてから注文を決めようと思っていたら、いきなり食券の購入を求められて戸惑う……という事態にならぬよう、事前に1階店先の看板に貼ってあるメニューを見ておくといいと思うよ。
明るく健全なメシ屋だから、ここではビールを飲もうという考えは起きない、って感じだった(もともと飲む気はなかったが)。
タバコを喫えるか訊く気さえ起きなかったな。
純粋にメシを、安くて満足できるメシを食うために、また利用したいって思ったな。
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